カテゴリー「劇場公開感想」の記事

2009年8月19日 (水)

ハリー・ポッターと謎のプリンス

Photo 2009年8月17日(月) TOHOシネマズ二条

 数々の冒険や戦いを通して逞しく成長したハリー・ポッターが宿命の対決へ始動し、いよいよ佳境に差しかかっていく人気シリーズの第6弾です。思春期を迎えたホグワーツ魔法学校の生徒たちが恋愛ムードに浮き立つ中、ハリーは復活した宿敵ヴォルデモートの知られざる過去に迫りながら最終決戦へ向け新たな冒険に臨みます。監督は前作『~不死鳥の騎士団』に引き続きデヴィッド・イェーツです。初期の作品のような子供が見て楽しいシーンはあまりありません。ストーリーもミステリー色が強くだいぶ大人向けになっています。CGの技術も上がり魔法のほうきに乗ったサッカーのような競技【クィディッチ】のシーンは見応えがありました。

 毎回1作で1年が経過するわけですが、今回の1年間はヴォルデモートは手下に適度に暴れさせて本人はかなりのんびり屋さんでどこかでお休みになられているようで、姿を現しません。なのでハリーとのクライマックスの魔法対決もありません。最終章へ向けての序章的な位置づけで全体的に盛り上がりが無く淡々と時が過ぎていきます。それでは見所がないので、公知されていたように【ハリーのとても大事な仲間が命を落とします】。さらに題名の【謎のプリンス】とは?前者は最終章前の位置づけを考えると、【あの人】しか考えられず予想通りでした。後者は映画の原題は【THE HALF-BLOOD PRINCE(半純血のプリンス)】で魔法薬学の授業に途中編入したハリーが手にする古い教科書の前の持ち主が誰か?という別に本編に係わる大きな謎になっていません。

 上映時間154分と長時間で、本編はヴォルデモートの過去を探るというダークなストーリーに所々思春期になったハリー達の恋の鞘当ての模様を挿入して緊張と緩和を適度に繰り返しています。ヴォルデモートの過去を探るだけなら1時間半ほどで終わってしまいそうで、さらに、話はほとんど進まないので最終章を見るに当たって最後の30分だけ見ても十分な作品です。でも、シリーズ6作目とあって見に来る人達はシリーズを見続けさせられている人達なので、男らしくなってきたハリーとロン、胸の谷間を強調したドレスを着るハーマイオニーなどハリー達の成長を見る楽しみがあります。そして最終章前の序章としてすごく先が気になる謎を残して、ずるい終わり方をします。さらに最終章は前編、後編の2部作になるようで、まだまだ引っ張ります。【60点】

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2009年7月 2日 (木)

ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破

Photo 2009年7月1日(水) MOVIX京都

 オリジナルのTVシリーズをリビルド(再構築)し、新劇場版として生まれ変わった全4部作の第2弾です。本作は完全新作をベースに制作、新たなヒロイン【真希波・マリ・イラストリアス】や新型エヴァンゲリオンの登場などデザインと設定が大幅に刷新され謎の怪物達【使徒】とEVAシリーズの戦いがさらにスケールアップした形でスペクタクルに展開していきます。

 前作の『序』ではTVシリーズと同じストーリーに、ごく微妙にアレンジがほどこされてる程度でしたが今作の『破』は全然違い【使徒】を含めて見たことのないシーンばかりで新鮮でした。主人公達は全員中学2年生で【使徒】が襲ってこない普段時は中学校へ通っています。基本的に【学校シーン】と【使徒との戦いシーン】の交互の連続です。それぞれがTVシリーズより学校シーンでは甘酸っぱく楽しく、使徒との戦いは激しく惨い演出になっていて落差が激しいです。

 全然違うストーリーですがTVシリーズにあった大事なエピソードは形を変えて使われてあります。そして【序・破・急】の真ん中の作品ということで使徒との戦いシーンの繰り返しがメインで【大筋】では、そんなに動きはなくTVシリーズの流れからは大きくは外れていません。戦闘シーンの躍動感やクオリティーは格段に上りましたが基本はTVシリーズの総集編的なものでキャラクターやストーリーを最新技術を使い分かりやすく作り直している印象です。

 TVシリーズや旧劇場版は作者のマスターベーションみたいなもので観客は二の次で自己満足で終わらせているようでした(実際、主人公が実践するシーンもあった)。新劇場版では相手に喜んでもらおうという意図を感じます。エンターテイメントとして【熱さ】を感じました。色々使われている挿入歌は【昭和歌謡】が中心ですが、特にある歌をバックにしたクライマックスの盛り上がりはすごく興奮し素晴らしかったです。旧シリーズではあれだけ気持ち悪かった少年少女達が、今回はそれぞれの行動がかっこ良くて久々にアニメで感動しました。次作は『急』と思ったら、その前に『Q』だって!また2年ごとなら完結まであと4年も待つのか?【85点】

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2009年6月16日 (火)

ターミネーター4

Photo 2009年6月15日(月) TOHOシネマズ二条

 世界的大ヒットシリーズの4作目にして初めて未来世界に迫り、これまでの原点を辿る終末へ新たにスタートした新3部作の1作目となるSFアクションです。人類滅亡を目論む機械軍(スカイネット)が引き起こした核戦争【審判の日】以後の荒廃した世界を舞台に、追いつめられたジョン・コナーら人類抵抗軍の存亡をかけた壮絶な戦いを圧倒的スケールで描いています。主演のジョン・コナー役には『ダークナイト』のクリスチャン・ベイル、物語の鍵を握る謎の男マーカス・ライト役に新鋭サム・ワーシントン、監督は『チャーリーズ・エンジェル』シリーズのマックGです。

 冒頭から激しいアクションシーンで盛り上げます。画面も全体にグレーがかっていて(バイオハザード3みたい)荒廃した世界にピッタリでした。新しく登場するターミネーターも次々と何種類も出てきて新鮮です。空中戦用戦闘機型、人間捕獲用巨大ロボ、追跡用バイク型、水中用のヘビ型、そして人型の初期型T-600などで【陸・水・空】とスピード感あるアクションシーンは多彩で、それぞれが過去の作品など問題ならないくらいスケールが大きいです。ストーリーは【ジョン・コナー】【マーカス・ライト】【カイル・リース】3人がそれぞれ別々のエピソードで進んでいきます。3人が揃うのはクライマックスです。

 かかっているお金も激しいアクションも過去の作品を上回っていますが、見終わった後の感想としてどうかと言うと『ターミネーター』シリーズとしては物足りないです。特に【熱さ】【カッコ良さ】が薄いです。今までは最初から最後まで【追われる】【追う】【守る】というキャラクターが一定していてストーリーが進むうちに味方には【信頼】、敵には【憎しみ】が沸いていきました。そして最後は手強い敵を倒した達成感、信頼できた仲間を失う喪失感が同居する素晴らしい余韻がありました。今回は残念ながら鑑賞後の余韻は残りません。

 今回は話が3人に分散してしまい【追う】【追われる】【守る】という立場も曖昧になっています。ジョンはまだ中間職で司令官に従う立場、マーカスは自分の身体の目的調査、カイルはまだ抵抗軍に憧れる一般少年とそれぞれの成長を描いた話です。多彩なターミネーターと戦う各シーンは派手ですが単発で連続性がありません、『またアイツが来た!』というのが無くその場かぎりのアクションで終わってしまいます。過去の作品へのオマージュが至るところにありシリーズファンにも楽しませてもらえますがクライマックスはそれが逆にアダとなってしまいました。また溶鉱炉前でのアクションになり新鮮味がありません。でもスケール大きな話とアクションは大きなスクリーンで見る価値は十分にありますし、今回は新メンバーの顔見せということで続編への期待は高まります。【75点】

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2009年6月 7日 (日)

スター・トレック

Photo 2009年6月5日(金) TOHOシネマズ二条

 『M.I:Ⅲ』、『クローバーフィールド/HAKAISHA』のヒット・クリエイター、J・J・エイブラムス監督が放つスペース・アドベンチャーです。1966年に創作されたTVシリーズ『スター・トレック/宇宙大作戦』を基に再構築しました。最近流行の【ビギニング編】です。主人公カークたちの青年期に焦点をあて、無限大の宇宙や未知なる文明との遭遇、経験を通して成長していく姿をVFXを駆使したスペクタクルかつ臨場感溢れる映像で描き出しています。劇場版は過去10作ありますが(全部劇場鑑賞しました)最近の作品はファン(トレッキー)向けのマニアックな内容が多く初心者お断り映画でしたが今回は最初から仕切りなおしということで初心者でも分かるように配慮してあります。

 今までの作品はTVシリーズのオリジナルキャストを使い、キャラクター紹介も省いてあり、話は独立していても会話は過去に関連した用語が飛び交うので初心者お断り映画でした。TVシリーズからのオリジナルキャストを使っている為に作品を追うごとに高齢化でアクションは控えめになり、【お約束事】が多くて作品の自由度がなくなっていました。【スター・トレック・シリーズ】も他に【新スター・トレック】【ヴォイジャー】【ディープ・スペース・ナイン】などあります。オリジナル版以前のストーリーでも【エンタープライズ】というシリーズまであります。このシリーズの映画を作ろうとなると各作品との整合性などファンが納得できるような制約が多くて、どうしてもマニアックになってしまいます。

 そこで今回考えられたアイデアは、100年以上未来(TVシリーズの最後の世代)からやってきた敵により事件を起こされ【歴史が大きく変わりました】。これで今までのTVシリーズの【お約束事】から開放され監督の好きなようにストーリーが進められるようになりました。冒頭のシーンから大興奮で【熱い】です。クライマックスになるくらいの感動や熱いドラマや激しい艦隊戦あり一気に引き込まれます。その後、お馴染みの主要メンバー達の紹介や出会いを描いています。個性的なキャラクター達を演じる若手俳優達の演技も悪くない為にそれぞれキャラがより立っています。専門用語も最低限に抑えられてあるので初心者にもなんとか付いていけそうです。ポイント、ポイントでシリーズファンがニヤリとできるエピソードやセリフが出てきて嬉しいです。特に私は6作目で大炎上し消滅した初代エンタープライズの雄姿が大スクリーンいっぱいに再び登場した時は大感涙でした。

 今までの作品と違い俳優達が若いのでアクションシーンも激しいです。皆さん顔中傷だらけです。俳優陣の動きが早いのに加え監督の演出も切れが良いので作品全体のテンポも非常に良いです。CGや音響は文句無しですし、TVシリーズのテーマ曲もクライマックスでしっかり使われています。銃撃戦、肉弾戦、宇宙空間での艦隊戦、男同士の熱い友情と絆など見所満載です。やんちゃなカーク、冷静沈着なはずのスポックも若さが溢れてどちらも魅力的です。40年以上前のオリジナルメンバーがそのままの俳優で出てくるサービスも見所です。エンディングの最後のセリフは大興奮です。見終わった後、帰りの自転車はもちろん全速ワープで帰ったのは言うまでもありません。【85点】

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2009年4月 4日 (土)

ウォッチメン

Photo 2009年4月1日、TOHOシネマズ二条

 80年代後半に発表されたアメリカの人気グラフィック・ノベルを驚異のビジュアルで実写映画化したヒーロー・ミステリーです。世界中で起きた歴史的事件の陰で【監視者】として活動し【ウォッチメン】と呼ばれたスーパーヒーローたちが存在していたもうひとつのアメリカが舞台です。彼らが次々と何者かに消されていくという謎の行方を、彼らの活躍の歴史と心の葛藤を織り交ぜながらスタイリッシュかつダークな世界観で壮大に描いています。監督は『300 <スリーハンドレッド>』のザック・スナイダーです。

 【ウォッチメン】達はスーパーヒーローといっても特殊な能力や超能力を備えているのではなく、仮面を被った人間です。ちょっとセンスの悪いお手製のコスチュームを着た自警団です。中には全裸でフルチンのウォッチマンもいます。彼らは行動も品行方正ではなく、それぞれの正義にのっとって悪者を懲らしめるので時には行き過ぎることもあり市民からは逆に迷惑がられています。物語はそんな【ウォッチメン】が現実に存在するもう1つのアメリカが舞台で時代はソ連と冷戦状態の1980年代です。ニクソン大統領が4期勤めており、ヒーロー行為禁止の条例が施行されヒーロー達は引退して通常の生活をしています。【ウォッチメン】はそんな世界が舞台背景です。

 ストーリーはヒーローが悪者を倒して市民を守る痛快なものでは全然ありません。殺されたウォッチメンの仲間が【ウォッチメン狩り】の真相を究明するのがメインストーリーです。何故ウォッチマンが殺されたのか?犯人は誰なのか?犯人の目的は?国内ではそんな事件でバタバタしていて治安が乱れているのにソ連は核ミサイル配備を拡大するばかりです。国内外で緊張が走っています。唯一特殊能力を持つのがフルチン男で彼は核開発実験の事故で身体が変化し原子を操作できるようになりました。それにより空を飛んだり、人や物体をバラバラにしたり、テレポートしたり、人間の思考が読めたり、未来が見えたりします。でもフルチン男(ボカシ無し)はすでに悟りを開いていて人間には愛想を尽かせて興味を持っていません。

 【世界観の説明】【ウォッチメンの過去の活躍】【ウォッチメン狩りの犯人探し】が同時にそれぞれじっくりお金と時間を掛けて描いているので上映時間は2時間半を軽く超えます。もう最初から頭をフル回転してストーリーに付いていくので必死です。頭が疲れた頃に適度にアクションシーンを交えているので時間を感じさせませんでした。でもアクションシーンはかなり残酷シーンが多かったです。その他にも何気ない無駄に見えるシーンの連続が多く感じましたが、衝撃のオチですべてが伏線だったことに驚きます。その衝撃のオチもハッピーエンドではなく解釈が賛否両論になりそうです、ウォッチメン達も結果に対して意見が分かれ仲間割れするくらいでした。残酷なシーンがたくさんあり、時間も長いし、エッチなシーンもあるし、話は難しいし、痛快でもないので子供や女性には全然向かない作品でした。でも私はこういう難しい映画は好きです。【70点】

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2009年1月 3日 (土)

WALL・E

Photo 2009年1月1日 TOHOシネマズ二条

 人類に見捨てられた地球で700年もの間コツコツと働き続ける孤独なゴミ処理ロボット【WALL・E(ウォーリー)】の健気で純粋な姿を綴るディズニー/ピクサー製作の感動ファンタジー・アニメです。ある時、目の前に現われ恋をしたロボットの危機を救うため宇宙へ旅立つウォーリーの壮大な冒険を描いています。監督は『ファインディング・ニモ』のアンドリュー・スタントンです。

 今までのピクサー社製作のアニメは大外れが無いので安心して鑑賞できました。今回はどうでしょう・・・・。結果は久々に大興奮した傑作アニメでした。前半は地球で孤独にゴミ処理をしているウォーリーの日常を描いています。喋る相手がいないので音楽と映像だけのイメージビデオのようです。通常退屈しそうな展開ですがウォーリーの愛くるしい仕草と次々と謎や発見があるので先が気になって目が離せません。人類は何処へ行ったのでしょう?突然現れたロケットの中から現れた高機能ロボットの任務は何?ロケットは何処から誰が遣わせて来たの?

 後半は一転して舞台が宇宙になりテンポがめまぐるしく速くなります。もう先の展開が全く読めません。特に宇宙空間での映像はとても素晴らしいです。こんな素晴らしい映像は今まで見たことがありません。私が映画を評価するポイントは【今まで見たことの無い映像や演出】【テンポの良さと先が読めない展開】【伏線の回収】【私が予想する最高と思われるオチになるかどうか】この映画はどれも備えています。そしてディズニーが得意とする【愛と勇気と冒険】と【ウォーリーとイヴの可愛らしい仕草】が加わり最高のエンターテイメントに仕上がっていました。85点

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2008年8月 4日 (月)

ダークナイト

Photo 2008年8月3日(日) TOHOシネマズ二条

  『メメント』『プレステージ』のクリストファー・ノーラン監督がクリスチャン・ベイルを主演に迎えて贈る新『バットマン』シリーズの『バットマン ビギンズ』に続く第2弾です。狂気の悪【ジョーカー】の登場により自らの存在意義そのものを問い直されることになる闇のヒーロー、バットマンの心の葛藤と、正義を守るための決死の戦いをリアルかつダークに描いています。なお、そのジョーカーを圧倒的な存在感で怪演したヒース・レジャーは、本作撮影終了直後の2008年1月に28歳の若さで惜しくも亡くなりました。

 前シリーズではジョーカー役は大俳優ジャック・ニコルソンが演じていました。若いヒース・レジャーが同じ役を演じることが心配でしたが彼は彼なりのジョーカーを見事に演じていました。ちなみに、この映画はバットマンの敵役としてジョーカーが取り上げられていますが、じつは他にも前シリーズで、これまた大俳優が演じたキャラクターも出てきます。152分という長時間の上映時間ですが内容が濃くて全く長さを感じませんでした。音楽は前作と同じように全編に緊張感が漂っています。音響も素晴らしく特にバットモービルやその中から出てくるバイクの重低音の排気音は迫力満点でカッコイイです。

 ストーリーは表面上のアクションだけ見るだけでも騙し騙されの展開で目が離せません。さらにドラマはとても奥深く味わいがあり1度見ただけでは展開が速すぎて心底楽しめません。これは何度見ても楽しめる作品です。ただ監督が前作の『バットマン ビギンズ』と同じなので雰囲気も同じです。前作の雰囲気に馴染めないならアクションシーンは増えていますが今回も馴染めないかもしれません。ただ前作を見ていなくてもこの作品単体でも十分に楽しめます。でもかなりダークな話なので子供向けではありません。

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2008年6月30日 (月)

インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国

Photo  2008年6月29日(日) TOHOシネマズ二条

 ハリソン・フォード、スティーヴン・スピルバーグ、ジョージ・ルーカスの黄金トリオで19年ぶりに復活した人気シリーズ第4弾のアクション・アドベンチャーです。今回は米ソ冷戦下の1950年代を舞台に、インディが宇宙の神秘を解く力を持つ秘宝をめぐって熾烈な争奪戦を繰り広げます。映画のブランクと同じ年月がインディにも流れていてすっかり老けていました。でもそれはそれで味わいがあり作品にはマイナスにはなっていませんでした。お馴染みの曲にのってオープニングのエピソードのアクションシーンで懐かしさを通り越し一気に『インディ・ショーンズ』の世界に引き込まれました。

 全編にシリーズを通してのファン向けのサービスが用意されています。例えば予告編やコマーシャルでお馴染みの倉庫でのアクションシーンは『レイダース/失われた聖櫃(アーク)』のエンディングに出てくる倉庫なのであの【アーク】がチラッと見えます。そういう遊び心を見付ける楽しみもあります。毎度お馴染みの【虫の攻撃】も今回もすごいのがありました。場を盛り上げる冒険パートナーは過去の作品では【女性と子供】や【老人達】が相手で【インディ】とのギャップが笑いの1つでした。今回はその両方の良いところをとり【女性と青年】と【年寄りインディ】の組み合わせで今まであったような種類のネタで笑いを誘い、まさにインディ・ワールドです。

 シリーズの見所は適度な笑いとユーモア、謎解きやアクションシーンがあります。お笑いパートは先に述べましたが、謎解きやアクションシーンはさすがに60歳を過ぎたインディが全部担当するのはきつそうです。と、いうことで謎解きは考古学者仲間、アクションシーンは青年が主に担当しました。じゃインディは何を担当?・・・インディは格闘担当でした。全編を通して殴り合いばかりしています。何もかも1人で担当するスーパーマンのインディに求めているならこの映画は期待外れです。中盤で舞台と役者が揃うまでに少しもたつきがありましたが、歳を重ねた新しいインディによる最新のCGを使った迫力の映像とスリルと冒険、笑いとユーモアを適度にブレンドした【インディ・ワールド】を堪能してください。

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2008年6月16日 (月)

ザ・マジックアワー

Photo 2008年6月15日 TOHOシネマズ二条

 『ラヂオの時間』『THE 有頂天ホテル』の三谷幸喜監督が贈る痛快エンタテインメント・コメディです。とある港町を舞台に、映画撮影と思い込み本物のギャング相手に幻の殺し屋を嬉々として演じる無名の三流役者と彼を騙し通して人生最大のピンチを切り抜けようとするしがないホテル支配人の男が繰り広げる大騒動を実力派キャスト陣の豪華アンサンブルで描き出しています。出演は佐藤浩市、妻夫木聡、西田敏行です。

 設定が映画の撮影ということで映画作りの舞台裏も少し垣間見えて映画好きにはストーリーとは別の部分でも楽しめました。そしてストーリーは映画を見てこんなに大笑いしたのは久しぶりです。笑いすぎてオナカがよじれそうでした。今回の見所である佐藤浩市演じる役者の天然ボケぶりとギャング達のリアクションが最高です。彼が事情を知らずに真面目に演技すればするほど可笑しいです。それだけに後半、ネタバレしてからの失速感がありました。もう少し最後まで引っ張っても良かったと思いますが贅沢な注文でしょう。 

 佐藤浩市以外も監督が上手く適材適所に個性を引き出しているおかげでキャラクターも分かりやすく笑わせてもらいました。他にも三谷作品でお馴染みの俳優陣がたくさんチョイ役で顔を出しています。そして彼らにも顔出しだけで終わらせずちゃんと見せ場を与える遊び心も効いています。どこにどんな俳優がどんな役でどんなことをしているかを見る楽しさもありました。街並みのセットも豪華ですし最後のドンパチも派手で舞台やテレビドラマではできない映画らしい作品でした。

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2008年5月 7日 (水)

あの空をおぼえてる

Photo 2008年5月5日(祝) MOVIX京都

 最愛の娘の死という突然の悲劇に襲われた家族の悲しみと再生への道のりを描いた感動ドラマです。主演は竹野内豊と水野美紀、監督は『ごめん』『天使の卵』『鉄人28号(実写版)』の冨樫森です。同じようなネタで最後は家族の崩壊を描いたロバート・レッドフォード第1回監督作品だった『普通の人々』(1981年)を思い出します。すぐにキレイにまとめたがる日本映画、最初から『普通の人々』には敵わないのは目に見えてますが、どこまで頑張ってくれるでしょう。

 富樫森監督の作品は当たり外れが大きいです。京都の桂を舞台にした『ごめん』は好きな作品ですが『鉄人28号(実写版)』は鑑賞時間とお金を返せ映画でした。映画はいきなり兄妹の事故直後から始まり兄だけが一命を取りとめます。その後、回想シーンとしての娘の生存時の楽しかった生活と娘を失った現在の悲しい生活を交互に描いていきます。生存時の生活はすごくハイテンションで異常に明るく、現在は会話がほとんどなくものすごく重くて暗いです。二つの対比を判りやすく見せたかったのでしょうが、どちらも非常に極端に描いてあり不自然すぎます。

 こんなに極端に描かないと観客には判ってもらえないと思っているのでしょうか?観客を馬鹿にしているのか、それとも作り手が馬鹿なのか?家族の生活が不自然すぎると観客は感情移入できません。色んな対比を何度も繰り返しながら時間だけがダラダラ過ぎていきます。時間がすごく長く感じます。主人公の家族のみに焦点当てていて家族の周りの人間が色々登場しますが出番はなく顔出し程度で終わりドラマの広がりが全くありません。クライマックスは息子の行方不明ですが、夫婦や周りの対応にリアリティーがありません。感動作ですから最後は息子の置手紙で泣かそうとします(実際泣いている女性多数)。この事件によって次の日から家族がコロッと再生するのですが、これまた異常に明るくなり極端に変わりすぎます。交通事故で弟を無くした経験を私もしましたが家族の喪失感、罪悪感と再生はこんなんじゃありません。

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2008年3月31日 (月)

魔法にかけられて

Photo 2008年3月30日 MOVIX京都

 ディズニーが伝統のアニメと実写を融合させ、さらにセルフ・パロディやミュージカルなど様々な要素も随所にちりばめて描いたファンタジック・コメディです。魔女に騙され、おとぎの国(アニメーション)から現実世界(実写)に追放されたプリンセスが大騒動を繰り広げます。主演は『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』のエイミー・アダムスです。アメリカ映画にしては珍しくアニメと実写の人物がすごく似ていました。

 画風は昔の作品のように手描き風の感じで懐かしさを感じました。でもアニメーションの部分は冒頭とエンディングの少しだけで、あとはすべて実写です。夢の世界のノリを現実に実際するといかに不自然なのかをセルフパロディとして描いています。朝、目覚めると窓を開けて大声で歌ったり、動物と会話ができたり、動物がお手伝いをしたりします。でも・・・それだけです。本筋のストーリーはN.Y.に住む現実的な子持ちの男性と何処かから来た不思議ちゃんな女性が出会い恋に落ち、それにあぶれた元彼と元彼女同士も恋に落ちて終わります。

 アイデアは良かったですが肝心のストーリーに魅力がありません。子供ももう少し活躍する場があっても良かったです。クライマックスの魔女との戦いも全然盛り上がらずとてもあっけないです。だいたい主人公の2人が恋に落ちた方が魔女としては都合が良いはずなのに、ディズニーの王道である魔女がヒロインを殺そうと企むことに執着し、最後は死ななければいけないようです。どうせならもう少しセルフ・パロディや自虐ギャクを多く使っても良かったと思います。ラブ・コメとしてもパロディーものとしても非常に中途半端でした。

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2008年3月10日 (月)

バンテージ・ポイント

Photo 2008年3月9日 MOVIX京都

 一発の凶弾が巡る真実を追った豪華キャスト競演のサスペンス・アクションです。大統領狙撃の瞬間を目撃した8人の異なる視点から暗殺事件の真相に迫るさまをスリリングに描いています。出演は『デイ・アフター・トゥモロー』のデニス・クエイド、TVドラマ『LOST』のマシュー・フォックス、オスカー俳優フォレスト・ウィッテカー、ウィリアム・ハートです。映画は始まって早々に大統領狙撃が狙撃され直後に演台を中心に大爆発します。事件の23分前の【A点】から狙撃、大爆発の数分後の【B点】までを違う視点により何度も巻き戻って見せられます。

 異なる視点から真実に迫るのは古くは黒澤明監督の『羅生門』から何作もありますが今まではそれぞれの言うことが、その本人の都合の良いように捏造されていて『誰が本当のことを言っているのか?』と、いうことが本題になっていました。今回の8人の視点はすべて真実であり、目撃した場所によって【見たもの、見えたもの、起きたこと】が違います。それぞれを統合することによって真実に近付いていきます。これは今までにありそうでなく画期的なアイデアです。ある人物の【A点】から【B点】のエピソードが流れ【B点】前後に何か新しい発見をその人物が気が付いた時点で、時間が巻き戻りまた違う人物の【A点】から始まります。見ている観客は『何を発見したの?この先どうなるの?』と画面に引き込まれたと途端に振り出しに戻らされるのは、ちょっとストレスを感じました。

 8つのエピソードがどれも重要で見所があり、たった90分の上映時間の中に盛り込んでるのでかなりハイテンポに進みます。そして8つのエピソードすべてが良いところで終わっているので8つの伏線となって生きてきて怒涛のクライマックスの【B点】以降の1つにまとまった時の爽快感はたまりません。またこのクライマックスもすごいです。意外な展開、意外な真犯人そして街中での激しいカーチェイス、銃撃戦はかなりレベルが高い演出で緊張と興奮の連続です。90分という短い作品でテンポ重視なので細かい部分の説明不足などで疑問点や突込みどころもいくつかありますが、こういう映画はテンポが大事なのでそれを差し引いても十分に楽しめ見終わった後も大満足です。

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2008年1月 4日 (金)

マリと子犬の物語

Photo 2008年1月1日 TOHOシネマズ二条

 【新潟県中越地震】で大きな被害に見舞われた山古志村で、失意の被災者を勇気づけた奇跡の実話を映画化した感動ドラマです。地震の被害で全村避難となり、愛犬マリと3匹の子犬を村に残さざるを得なかった飼い主家族の苦悩と、エサもない中、我が子を懸命に守り抜く母犬マリの奮闘を描いています。監督はテレビドラマ『あいのうた』『瑠璃の島』など数々の作品を演出してきて今回、初監督の猪俣隆一です。主演は船越英一郎です。

 映画は子供達と子犬マリとの出会いから始まります。マリが登場したシーンはあちこちの周りの女性達が『カワイイ〜』と思わず声を出していました。確かにコロコロのカワイイ子犬でした。でも子犬のマリは僅か1年で大人の犬になり、さらに3匹の子犬ができています。この子犬達がまた、子犬時代のマリにそっくりでカワイイです。しばらく子供達とマリ達との交流を描いていますが、やがて映画の中盤で地震が襲ってきます。救助されてヘリに乗った少女の泣き叫ぶ姿と置き去りになったマリが走って追いかけるシーンは最大の泣かせどころです。このシーンは予告編で使用済みです。予告編でのこのシーンが最大の見せ場であり、これ以上のシーンはないと分かっていながらも釣られて劇場に足を運んだ私です。

 映画の後半は村民達の避難所の生活と被災地で逞しく生きるマリ達を交互に描いていきますが、よくあるエピソードばかりでドラマ自体は新鮮味はありません。あとは再び被災地に訪れた子供達とマリ達との再会をどう感動的に盛り上げるかが見所です。マリ達も被災地から出たはずですが最後は何故か再び元の場所にいます。まずは子犬達が登場!普通はその子犬達が来た方向を探しますが…引っ張りに引っ張って過剰な演出で泣かせようとします。少女のいつでもボロボロと涙が出る演技がさらに盛り上げます。エンドロールの一番最後にはモデルとなった本物のマリ達の写真が出るのでお見逃しなく。

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2007年11月29日 (木)

ボーン・アルティメイタム

Photo 2007年11月28日 TOHOシネマズ二条

 マット・デイモン扮する記憶を失った元CIA諜報員が自らの過去を取り戻すため世界中を駆け巡る大ヒット・スパイ・アクション・シリーズ完結編です。原作は全3部作からなるロバート・ラドラムの【ジェイソン・ボーン】シリーズです。目の前に次々と降りかかる危機を乗り越え、ついにジェイソン・ボーンの過去が明らかとなります。監督は前作から引き続き『ユナイテッド93』のポール・グリーングラスです。

 完全な続きものなのでシリーズを通しての鑑賞をお薦めします。でもストーリーは単純なので1度見ていたら、わざわざ直前に復習するまでもないです。私も前作を3年前に劇場で見て以来でしたが十分付いていけました。前作の直後から始まるプロローグから激しいチェイスシーンで、一気にストーリー引き込まれます。その後の本編の最初のシーンからいきなりテンションが最高潮です。激しい情報戦と追いかけっこはまさにスパイ映画の醍醐味で音楽もすごく盛り上げます。後半の派手な演出のアクションシーンより私はこちらのシーンの方が興奮しました。

 【ジェイソン・ボーン】シリーズの見所は主演のマット・デイモンの身体能力、世界各地でのロケを使った激しい追いかけっこ、ド迫力のカーチェイスシーン、激しい情報合戦、敵味方が不明瞭な騙し騙されの緊張感、自分探しの謎の解決などが、ありますが単純なストーリーの中にこれらをバランス良く散りばめ最高のエンターテイメントに仕上げています。またシリーズを追うごとに洗練されて面白くなっていっています。特にカーチェイスシーンは前作でも息を飲みましたが今回はそれ以上のできです。カメラワークも迫力を出そうとアクションシーンでは手持ちカメラを多用しています。これはやりすぎると何がなんだか分かりにくく目が回るだけですが、この映画のバランスは絶妙でとても良かったです。

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2007年11月18日 (日)

ALWAYS 続・三丁目の夕日

Photo 2007年11月18日 TOHOシネマズ二条

 西岸良平の人気コミックを実写映画化し大ヒットした人情ドラマの続編です。前作終了時点から4ヶ月後の東京下町を舞台に、夕日町三丁目に暮らす面々の人間模様をノスタルジックに描いています。監督は引き続き『ジュブナイル』『Returner リターナー』の山崎貴で他にVFX、脚本も手掛けています  劇中のストーリーは前作から4ヶ月後の設定ですが実際の映画撮影は2年が経過しています。

 ほとんどの役者は前作から引き続いての出演で、これは続編としての必須です。でもそれによって子供達が大きくなりすぎていました。特にメインキャストの一人の淳之介を演じる須賀健太くんはすごく背が高くなっていました。前作以降有名人になってしまった彼は映画、テレビでの露出が増えて少しすれた印象で前作にあった素朴さが薄れていました。大きくなった体に合わせて作り直した前作と同じ衣装を来て前作と同じように涙目でしがみ付くシーンも、芝居臭さを感じました。  

 セットから小道具、街並みの再現は素晴らしかったです。カメラワークもすごく丁寧でシネスコープの横長の画面を存分に生かして撮影されていました。ただストーリーが退屈です。上映時間2時間20分もあり夕日町三丁目の住民のそれぞれの日常をほのぼのと丁寧に描いています。終盤まで特に事件はなく、なんの盛り上がりもありません。ただ当時の日常生活を少し美化して描いているだけです。それでも最後はやはり涙腺を刺激されました。この映画の最大の見せ場は冒頭の5分です。ものすごい迫力でつかみとしては最高でした。その後の展開との落差が大きかったです。

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2007年11月 9日 (金)

バイオハザードⅢ

Photo 2007年11月8日 TOHOシネマズ二条

 ミラ・ジョヴォヴィッチ主演で放つ人気シリーズ第3弾のSFアクションです。前作から数年後、【T-ウィルス】の拡散で大量のアンデッドがはびこる終末世界を舞台に、女戦士アリスが僅かな生存者たちと安息の地を目指し巨大な陰謀に立ち向かいます。監督は『ハイランダー/悪魔の戦士』のラッセル・マルケイで1作目を監督したポール・W・S・アンダーソンは2作目に続いて今回も製作と脚本のみの参加です(年末公開の『AVP2』の監督で忙しいから?)。  

 今回のゲームファン向けのゲストキャラは前作のジル・バレンタインに代わりクレア・レッドフィールドとウェスカーが登場していました。名前だけ使用しただけでキャラクターはゲーム版とは少し違いました。世界観は人類がほとんど滅亡していて砂漠化した地球が舞台です。残された人類は荒廃した土地で食糧、水、ガソリンを求めて奪い合いをしています。『マッドマックス2』とそっくりです。ストーリーはガソリンスタンドからガソリンスタンドへ旅を続け、行く先々でアンデッドに襲われて仲間が段々減っていく様子を描いています。 ただそれだけです。特に作戦やミッションもなくとても単調です。

 ストーリーが薄い分アクションシーンの連続でカバーしています。  今回の主人公もアリスです。前作はアンデッドなんて雑魚扱いの無敵な強さでしたが今回はさらにパワーアップして超能力が備わりました。超人的な身体能力にバリアーや念動力が加わり、より多彩なアクションシーンが増えましたが逆に前作以上に緊張感がなくなりました。これだけアンデッド達と力の差があれば負けるはずがありません。『エイリアン』シリーズのリプリーのように回を追うごとに超人化が進んでいます。ほとんどが炎天下の砂漠でのアクションシーンばかりで、あまり変化が見られません。ラストボスもあっけなく退場しクライマックスも盛り上がりませんでした。見終わって映画館を出た時にはすでに何も印象が残っていなくて感想を書くのに困りました。

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2007年10月11日 (木)

幸せのレシピ

Photo 2007年10月8日 MOVIX京都

 評判を呼んだ2001年のドイツ映画『マーサの幸せレシピ』をキャサリン・ゼタ=ジョーンズ主演でリメイクしたハートフル・ラブコメディです。料理の腕は一流だが、人付き合いが下手なヒロインが、図らずも直面した新たな人間関係の中で次第に頑なな心を解きほぐしていく姿を描いています。共演は『ザ・コア』のアーロン・エッカートと『リトル・ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリンです。監督は『アトランティスのこころ』のスコット・ヒックスです。

 バリバリのキャリアウーマンのところに小学生の姪が住むようになり生活が激変、職場は休んでいる間に入った副シェフの影響で緊張感があった厨房がユルユルになっていました。役者が出揃った時点で結末が読めてしまう映画です。あとはそこまでいかに楽しませてくれるかが見所です。主人公にとってどん底スタートなのであとは上るのみと思っていましたが意外にそんなに単純じゃありませんでした。

 公私共にちょっと良い雰囲気になったらトラブルで喧嘩になり気まずくなります。そのパターンの繰り返しが最後まで何度も続きます。最後も過度にお涙頂戴にせずにアッサリ目の展開でした。キャサリン・ゼタ=ジョーンズが少し老けましたが相変わらずキュートでした。他の二人も良い味を出していました。主人公が落ち込むとこちらも落ち込みますが基本的に終始微笑ましいシーンばかりでした。料理はどれも美味しそうに見えて見終わった時はオナカがすごくすきました。

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2007年9月25日 (火)

プラネット・テラーinグラインドハウス

Photo 2007年9月24日 TOHOシネマズ二条

 B級映画ばかりを2本立て、3本立てで上映するアメリカでかつて流行った映画館【グラインドハウス】を現代に甦らせるべく、クエンティン・タランティーノ監督と盟友ロバート・ロドリゲス監督がホラー映画を競作した2本立てムービー【グラインドハウス】のうちのロドリゲス版で、独立した1本の作品として再編集されたディレクターズ・カット完全版です。謎の化学兵器でゾンビと化した感染者が溢れかえる田舎町を舞台に、ゾンビに片脚を奪われたセクシー・ヒロインの怒りの【片脚マシンガン】が炸裂する近未来エロティック・バイオレンス・アクション・ホラーです。主演は【ブラック・ダリア】のローズ・マッゴーワンです。

 本編前にダニー・トレホが主演する架空のアクション映画【マチェーテ】の予告編が流れます。B級テイスト満点でおもわず見たくなりました。ロバート・ロドリゲスは監督の他に製作、脚本、撮影、編集、音楽を担当しており彼の好きなようにやりたい放題で作った映画です。今回の映画のジャンルは一応【サバイバル・アクション・ホラー】になりますがこのジャンルは以前にも【フロム・ダスク・ティル・ドーン】シリーズがあるのでやり尽くした感がある為、今回は【グラインドハウス風】という風に少し遊び心を加えています。画面はわざと古いフィルムみたいに傷がチラチラ見えるようにしてあったりフィルムが途中で切れたりします。

 理屈抜きにバカバカしいシーンの連続で思わず笑ってしまいます。ゾンビ相手に全編、銃を撃ちまくるシーンばかりです。ゾンビも骨が無いかのように撃たれた頭や体が、いかがわしい体液を飛び散らせて破裂します。見方によっては不快なシーンの連続ですが全編に漂うバカバカしさの空気のおかげで笑いに変えています。予告編などで見た【片足マシンガン】を今か今かと楽しみに待っていましたが、ちぎれた足を椅子の足で代用していてなかなか出てこず最後にやっと装着しました。ダンサー役なので身体が柔らかく色んな態勢で撃ちまくるシーンは最高で爽快でした。もっと早くマシンガンを装着してほしかったです。

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2007年9月21日 (金)

HERO

Photo 2007年9月16日 TOHOシネマズ二条

 木村拓哉が型破りな検事に扮し、高視聴率を記録した大ヒットTVドラマの劇場版です。レギュラー・キャストに加え、松本幸四郎、森田一義(タモリ)、イ・ビョンホンなど豪華競演が実現しました。本作は連続シリーズののちに放映されたスペシャル版の後日談となり、東京へ戻ってきた久利生公平がいつもの面々と共に巨大な陰謀がうごめく難事件に挑んでいく姿を描いています。いつものように私はテレビは未見での映画鑑賞です。

 結果から言うとこれはテレビ版、キムタク・ファン向けに作られた映画でした。会話もテレビ版の時の話題が何度も出てくるのでついていけません。キムタクと松たか子の会話などはほとんどそうです。さらに中井貴一と綾瀬はるかの2人が出てくるシーンが何度もあり結構時間を割いていますが、今回の事件とは全く関係なく、スペシャル版の出演者だったようでテレビファン向けの後日談的なサービスのようです。ここでのキムタクと中井貴一との会話も、中井貴一が何者で何故キムタクが何度も会いに来るのかもさっぱりわかりません。

 肝心の裁判のシーンは非常に幼稚な出来です。松本幸四郎演じる、日本一の無罪請負弁護士との対決を宣伝していたので楽しみにしていましたが、弁護士の言うことは素人の私でも思いつくくらい当たり前のことにとどまり、キムタクはそれくらいのことを言い返すくらいの準備もなく裁判にのぞみアタフタします。逆に弁護士も粘りがなく反論もあまりしないですぐに諦めてしまいます。こんな諦めの早い弁護士につかれた被告人は可哀想です。どこが日本一の無罪請負人なのでしょう?とどめはまだアリバイが崩れただけで被告人がやったという物的証拠は?と、最も注目すべきところだったのに・・・割愛して判決シーンまで飛びました。裁判のやりとりは二の次で結局、熱弁するキムタクのアップを色々な角度から見せたかっただけのものでした。

 でも決してダメダメな映画という訳ではなくテンポも良いし見ていて飽きません。映画用に豪華にお金かける為にわざわざ韓国まで証拠集めという名の観光旅行を挿入し、イ・ビョンホンがチョイ役で出てきます。レギュラー陣もそれぞれ個性の強い分かりやすいキャラクターばかりでそれぞれ見せ場が用意してあるのでテレビ未見の私でも楽しめました。後半の裁判シーンをもう少し重厚で見応えがあれば良かったです。

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2007年9月12日 (水)

エヴァンゲリヲン新劇場版:序

Photo 2007年9月10日 MOVIX京都

 95年のTV放映当時、それまでのロボット・アニメとは一線を画したミステリアスな世界観と深いキャラクター造型が波紋を呼び、若い世代を中心に熱狂的な支持を集め、今なおアニメの枠を越えて様々な分野に影響を及ぼし続ける伝説のSFアニメを、【REBUILD(再構築)】というアプローチで製作する新たなる劇場版です。本作は、全四部作となる【新劇場版】の第1作です。当時と同じスタッフの摩砂雪と鶴巻和哉が監督を務め、庵野秀明が原作・脚本・総監督を担当しています。

 10年前に公開された【新世紀エヴァンゲリオン劇場版】はテレビ版の第一話〜第弐拾四話のダイジェスト版(と、いうより名場面集)である前編とテレビ版の第弐拾五話、弐拾六話と異なるエンディングを第25話、第26話として作り直した後編の2作品が公開されました。特に前編はテレビ版24話分を70分くらいに再編集されたもので断片的に場面を繋いだ作品で何がなんだか分かりにくく完全に一見さんお断りの作品でした。今回はテレビ版の6話分をベースに98分の枠で作られているのでストーリーの形が辛うじて残っているので一見さんでも多少は敷居が低くなっています。

 パチンコでのブーム再燃に乗った単なるダイジェスト版と思っていましたが少し違うようです。映画はテレビ版を再編集したのではなく新たに作られてます。テレビと同じ場面なのに絵がキレイだし、背景やメカのデザインや演出が微妙に違いました。それによって世界観もテレビ版とは少し違う違和感を感じます。後半へ向けてその違う部分が段々増えていき最後にはテレビ版とは違うストーリーとして進んでいることに気が付きます。エンドロール後にある短い予告編では全く違うストーリーである印象を与えて期待を抱かせています。

 今回のクライマックスは第六話の八面体みたいな使徒と戦う【ヤシマ作戦】ですが演出も映画のクライマックスらしく大迫力の戦闘シーンと音響効果にアレンジされておりすごく興奮し盛り上がりました。主人公のシンジは前回より少しだけ前向きな性格になっており、他のお馴染の個性的なキャラクター達も健在で楽しませてもらいました。ただしアスカはまだ出ていません。前回一通り見たので何気無く今回も一応見ておくつもりで足を運びましたが、なかなか内容も面白くついハマってしまいました。この先の展開は前回のように風呂敷を広げすぎて収拾がつかなくなり意味不明な終わり方にならないようにしてほしいです。

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2007年8月15日 (水)

トランスフォーマー

Photo 2007年8月14日 TOHOシネマズ二条

 共に大ヒット作を生み出してきたスティーブン・スピルバーグとマイケル・ベイ(『ザ・ロック』『アルマゲドン』)のブロックバスター・コンビが放つSFアクション大作です。1980年代に人気を博し、日本の玩具から始まった日米合作のアニメを実写化しています。もちろん私は未見です。人類が、あらゆるテクノロジー機器に姿を変えられ【トランスフォーム】(変身)する金属生命体の脅威に晒されるさまを、最新技術を駆使して描いています。小さいものは携帯電話、大きいものは大型トレーラーからロボットにトランスフォームします。特に戦闘機や戦闘ヘリが盛り上がりました。

 ストーリーは金属生命体が地球に来た理由に絡む主人公の男子高校生、中東カタールで正体不明のメカに襲われる米兵達、事件の謎を探るペンタゴンの3つのエピソードが同時進行で進んでいきます。3つとも今回の映画の世界観を説明する役割になっていますがテンポが非常に悪く退屈であまり面白くありません。見所と言えばせいぜいカタールでの金属生命体と米兵との攻防くらいです。その代わり3つの話が合流するクライマックスの攻防はすごく盛り上がりました。今回の見所はもちろんアクションシーンですが、それが非常に見にくいです。

 金属生命体の動きがすごく早くさらにカメラもアップを多用しているので画面では鉛色の何かがゴチャゴチャ動いているくらいにしか見えません。【トランスフォーム】も一瞬で変形するので早過ぎてカッコ良さが出ていません。それに乗り物の時とロボットになった時と大きさが全然違うのも気になりました。クライマックスでの攻防はマイケル・ベイ監督お得意の派手な演出の連続ですごい迫力なのもカメラが寄り過ぎて何をしているのか分かりにくかったです。もっとカメラを引いたシーンを多用して欲しかったです。女優陣もあまり可愛くなかったです。

 今回の映画は前売り券に付いてくるオマケ【トランスフォームするボールペン】目当てでチケットを買ってしまいました。

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2007年8月12日 (日)

夕凪の街 桜の国

Photo 2007年8月5日 MOVIX京都

 平成16年度文化庁メディア芸術賞マンガ部門大賞、第9回手塚治虫文化賞新生賞を受賞したこうの史代の同名マンガを実写映画化したヒューマン・ドラマです。過去と現在の2つの物語を通して原爆が世代を超えてもたらす悲劇を静かに見つめます。主演は田中麗奈と麻生久美子、監督は『半落ち』『出口のない海』の佐々部清です。映画は『夕凪の街』と『桜の国』の2部制になっています。だから冒頭の題名は『夕凪の街』です。

 『夕凪の街』は昭和33年の広島の生活を描いています。こちらの主演は麻生久美子です。特に目新しい展開はありません。再現された当時の街並みくらいが見所です。どちらかというと後半の『桜の国』へ続くちょっと長いプロローグという感じで尻切れ状態で終わります。『桜の国』の舞台は現代です。こちらの主演は田中麗奈です。私達観客は現代っ子の田中麗奈が映画の中で体験することを通じて原爆の恐ろしさ、被爆者の苦労を知ります。

 『桜の国』とタイトルが出る第2部は堺正章演じる父親の旅行を尾行していくストーリーです。各エピソードが重々しくなくてとても楽しいです。でも楽しいエピソードの中に重いテーマを含んでいることに観客もいつの間にか気付いていきます。『桜の国』の後半は尻切れだった『夕凪の街』とリンクしていく辺りから涙腺が刺激されまくりです。映画が終わりもう一度題名が出ます、上手い。『夕凪の街 桜の国』・・・最後の1部、2部の融合は涙無しでは見られませんでした。見終わった後、場内の明かりが点くと観客の皆さんは無言です。今回の映画のテーマが深く胸を突いていて絶句状態で全員出口へ向かう様はちょっと変でした。

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2007年7月23日 (月)

ダイ・ハード4.0

Photo_60 2007年7月22日 MOVIX京都

 劇場鑑賞2回目です。前回は前から5列目で首が少し痛かったので今回は少し後からゆっくり堪能しようと思いました。劇場公開されてから日数も経過していますし、『ハリー・ポッター』も公開が始まったので混雑はないでしょう。でも念のために余裕を見て上映1時間前に劇場に行ったら考えが甘かったです。すでに前から2列しか空きがありませんでした。泣く泣く前から2列目の中央をキープしました。前回よりスクリーンが小さかったのが救いです。今回の『ダイ・ハード4.0』は流行っていますね~。

 確かに2回目鑑賞をしようと思わせる内容です。今回も迫力あるアクションシーンには思わず絶叫し見入ってしまいました。アクション以外でも常にジョークが効いた会話が散りばめてあり何度も笑わせてもらいました。今回のマクレーン刑事とコンピューターおたくの青年のコンビは絶妙でした。ストーリーは真面目に考えると分かりにくいですが、次々訪れるアクションシーンの舞台設定の為の適当な口実ということで深く考えない方がいいです。ハラハラドキドキの連続で大いに笑い、最後はスカッとします。大きなスクリーンならではの迫力で理屈抜きに楽しめる娯楽大作です。今年の夏休み映画の一押しです。

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2007年7月17日 (火)

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

Photo_59 2007年7月15日 MOVIX京都

 魔法学校で学ぶハリー・ポッターとその仲間たちの成長と活躍を描く人気シリーズ第5弾です。今回5年生となったハリーは恐るべき因縁と向き合いながら復活した宿敵ヴォルデモート卿の脅威に仲間と秘密同盟の【不死鳥の騎士団】と協力して戦う姿を描いています。監督はこれまでイギリスのTV界を中心に活躍してきたデヴィッド・イェーツです。今回も原作は未読ですが映画ではシリーズの【お約束】がかなり削除されています。原作には【お約束】があったのかもしれませんが上映時間が138分とシリーズ中でも比較的短いのも影響があるかもしれません。

 ホグワーツへ行くまでのプロローグが少し長いです。そして大きな変化は楽しい授業風景、クィディッチの試合、いじめっ子マルフォイとのやりとり、1年最後を締めくくる寮対抗のポイント発表などの【お約束】がなくなってしまいました。シリーズ中でも代表的なこのシーンを楽しみにいていたファンもいたと思いますが私はマンネリを感じていたので、今回の思い切った削除はスッキリして良かったと思いました。たくさん増えてしまった主要キャラクター達も今回の事件の最重要キャラクター以外は顔見世程度で出てくるだけでした。

 このシリーズも第3作目の【アズカバンの囚人】以降からすっかりダークな作品になっていますが今回もかなりダークです。1作目、2作目にあったような夢と冒険に溢れた作品とはもう違います。どちらかと言うと駆け引きを中心にした戦争映画になりつつあるので子供の鑑賞には厳しくなってきました。劇中のほとんどが来るべき戦争に備える下準備になっていました。そしてそれを邪魔する者たちのいざこざが中心です。前作の【炎のゴブレット】の最後のシーンが今回の事件の発端なので大事ですが、どちらかというと【アズカバンの囚人】からのキャラクターや用語がポンポン出てくるので、鑑賞前の予習や復習をするなら優先順位は【アズカバンの囚人】です。

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2007年7月 9日 (月)

シュレック3

Photo_58 2007年7月8日 MOVIX京都

 おとぎの国を舞台に緑の怪物シュレックとその仲間たちの冒険をパロディー満載で描く人気ファンタジー・アドベンチャーのシリーズ第3弾です。今回は王位継承をめぐり、後継者を探す旅に出るシュレックたちと王位奪取を画策する悪役たちが未来をかけたバトル・ロイヤルを繰り広げます。CGの技術がさらに上っていて映像がすごくキレイでした。時には実写と間違うくらいの素晴らしい出来でした。

 ストーリーは今回もあってないようなものです。すでに多数のレギュラー・キャラクター達は確立しているので各キャラの持ちネタをそれぞれ披露して笑いを取って時間を繋いでいきます。シュレック自身の出来事は1作目は【出会い】を描き2作目は【両親への対面】を描いていました。今回は【子供の誕生】を描いています。有名キャラクターのパロディーもそろそろネタ切れが見えてきました。パロディーではあまり笑いが取れていませんでした。1作目のようなブラックユーモアも影をひそめ健全な笑いになってきました。

 『シュレック』はディズニーのような健全な作品をブラックユーモアでパロディーにしてきたのにすっかり【毒】がなくなってしまいました。それでも各キャラの活躍のおかげで結構笑わせてもらいました。2作目よりかは面白かったです。

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2007年6月25日 (月)

プレステージ

Photo_57 2007年6月24日 TOHOシネマズ二条

 世界幻想文学大賞を受賞を受賞したクリストファー・プリーストの傑作『奇術師』を『メメント』『バットマン ビギンズ』のクリストファー・ノーラン監督が映画化したミステリアス・ファンタジー・サスペンスです。19世紀末のロンドンを舞台に、マジックに人生の全てを捧げる2人の天才マジシャンが、互いに激しいライバル心を募らせ壮絶な確執を繰り広げた末に行き着く驚愕の顛末を幻想的かつトリッキーに描き出します。主演は『X-MEN』シリーズのヒュー・ジャックマンと『バットマン ビギンズ』のクリスチャン・ベイル、共演にマイケル・ケイン、スカーレット・ヨハンソン、デヴィッド・ボウイが出ています。

 結末は途中で読めてしまいました。ストーリーはいきなり事件が起こり誰がどうなったのか観客にはさっぱり分からないところから始まります。そこから回想形式と現実とが同時進行で進んでいきます。さらに回想シーンの中でさらに回想シーンがあり、いま見ているシーンはいつ?どこの話?と、混乱しそうになります。でもこの監督の映画はいつも回想シーンがとても多くて、こういう映画は得意中の得意なので混乱するギリギリのところでうまくまとめていました。

 見た目は爽やかで男前な2人のマジシャンのライバル争いを描いていますがお互い技を競い高め合う好ライバルでは無くお互い憎み合い嫉妬し足の引っ張り合いに終始しているので作品自体は爽やかさはありません。でも全編に伏線を張ってあり最後に話がすべて繋がり収束する時の快感はあります。全編気を抜けないのでかなり集中力が必要で終わった時は頭が熱くなり少し疲れました。久しぶりに見たデビィッド・ボウイは渋くてかっこ良かったです。

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2007年6月24日 (日)

ダイ・ハード4.0

Photo_56 2007年6月23日 TOHOシネマズ二条

 ブルース・ウィリスが大スターへと飛躍するきっかけとなった人気シリーズで12年ぶりの続編となるサスペンス・アクションです。デジタル制御された全米のインフラ機能を襲うサイバー・テロの脅威に、不運なアナログ刑事ジョン・マクレーンが立ち上がります。監督は『アンダーワールド』シリーズのレン・ワイズマンです。『ダイ・ハード』シリーズが面白かった定義がいくつかありましたが前作では、そのほとんどを放棄し、ただ【なかなか死なない】という部分だけを残して全く別の映画になってしまっていました。

 今回は、その定義をいくつか復活(何が復活したかはネタバレになるので内緒ですが、おもわずニヤリとする場面がたくさんあります)させて『ダイ・ハード』らしい作品になっていました。開始早々からド派手な演出で目が映画に釘付けになりました。演出に関しては数ヵ月前に劇場の予告編を見た時に、すごいシーンの見せ場の連続を繋げた内容だったので『映画の内容のすべての見せ場かも』と思い、本番の楽しみに備えてそれ以降の予告編を見る機会の際は目を閉じてスルーをしていました。

 そして本番まで我慢した甲斐がありました。以前予告編で見たシーンはすっかり忘れてしまい記憶はまっさらな状態で見ましたが、すべてのアクションシーンは思わず声をあげてしまってばかりの大迫力の素晴らしいシーンの連続でした。全体的に【動】と【静】の交互の繰り返しです。【動】の部分は文句無しですが【静】の部分が【凝った作品】にしようと【難しそうな話】にして逆に退屈になってしまいました。もっとシンプルでも良かったかなぁと思いました。風呂敷を広げすぎて大味な作品になってしまった前作と比べると、今回は事件の規模は大きいですが、犯人のやっていること自体はパソコンの前で騒いでいる程度の小さな空間が舞台なので『ダイ・ハード』らしく終始緊張感がありました。

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2007年6月11日 (月)

300<スリーハンドレッド>

Photo_55 2007年6月10日 MOVIX京都

 無謀なる壮絶な戦いに生身の屈強な男たちが立ち向かう迫力の歴史スペクタクルです。100万のペルシア大軍をわずか300人のスパルタ軍が迎え撃つという伝説的な史実【テルモピュライの戦い】を基に『シン・シティ』のフランク・ミラーが書いたグラフィック・ノベルを斬新なビジュアルで映画化しました。監督は『ドーン・オブ・ザ・デッド』のザック・スナイダー、主演は『オペラ座の怪人』のジェラルド・バトラーです。 とにかく全編理屈より【カッコイイ演出】【絵になる演出】に拘って撮影されています。

 ストーリーはすごく単純です。攻めてきたペルシャの大群に少数のスパルタの精鋭達が立ち向かうだけで、全編派手な戦闘シーンの連続です。そして見所は鍛えぬかれた男達の肉体と戦闘シーンの演出です。肉体は出演者皆さん見事な胸板と腹筋でした。まるで彫刻のような鋼の肉体を作り上げていました。戦闘シーンは標準スピードとスローの交互の繰り返しを多用していました。そしてカメラアングルは敵と味方が一人ずつ収まる距離で固定してカットはあまり入れずに長回しで撮っています。これが非常に見やすく分かりやすくスピード感がありました。最近のアクション映画は迫力を出すために手持ちカメラ風に画面をグラグラ振り回しアップとカットを多用して何がどうなっているのか分からず付いていけない時がありました。  

 その点この映画は全編戦闘シーンが売りなので長時間鑑賞にも耐えられるように見やすくしてありました。ほとんどの殺戮シーンは剣でバサバサ切って腕や足や首が飛んでいきます。目を覆うような残酷なシーンの連続になるところを北野武監督の『座頭市』のように血しぶきはCGを使いあまり生々しくならないようにしてあり、まるでテレビゲームのようでした。この手の史実スペクタル映画の場合は上映も長時間になりがちですが2時間弱とコンパクトにまとめたのも良かったです。戦闘シーンばかりで疲れてきたところで終わりました。また終り方もアメリカ映画らしく血沸き踊るような盛り上げ方で煽り興奮しました。最後は『グラディエーター』に似ているのはご愛敬です。

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2007年5月26日 (土)

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

Photo_54 2007年5月25日 TOHOシネマズ二条

 大ヒットを記録したシリーズ3部作の完結編となるアクション・アドベンチャーです。海の中へ消え去ってしまったジャック・スパロウの行方や、強大な陰謀に立ち向かう海賊たちの戦いが壮大なスケールで描いています。ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイといったおなじみの主要キャストに加え、アジアの名優チョウ・ユンファが新たに登場します。今回の鑑賞の前に1作目、2作目(特に2作目)は絶対必見です。そして170分という長丁場なので、色々準備をして鑑賞に臨んでください。

 はっきり言って無駄に長すぎました。大金を掛けて作った割には見所があまりありません。ワクワクするところも笑うところもほとんどありません。170分のうち最初の20分くらいと最後の30分くらいだけが見所で、あとの真ん中の2時間くらいは、ど~でもいい場面をダラダラと延々と見せられます。観客は満席だったのに笑いも歓声も一切無くシーンとしていて途中トイレに立つ人(レイトショーだったので子供はいない)が後を絶ちませんでした。『マトリックス』シリーズと同じように1作目は単体で完成していますが、2、3作目は同時に製作しています。

 本当は1本の作品として出来るものを、お金儲けの為に、ど~でもいい場面で時間を引き伸ばして2本に分けて作ったのがすごく感じます。3作目を見終わった後の感じも『マトリックス』シリーズと同じ感覚でした。2作目が151分、3作目が170分、合わせて5時間半弱(321分)!合わせて3時間でも十分すぎる内容です。前回は単純なストーリーをドタバタで引っ張っていましたが、今回はストーリーも非常に分かりにくいです。海賊なので元は善人ではありません。全編話し合い、裏切り、喧嘩の繰り返しで今は誰が誰と組んでいるのか分かりにくいです。

 今回もキャラクターがさらに増えて主要キャラがたくさん出すぎて主人公3人の存在感も薄いです(それも『マトリックス』と同じ)。一応主人公なので最後の30分の見せ場でやっと存在感が出てきました。2作目から通じての謎や伏線の結果の処理の仕方もすごく不親切で雑で煽って引っ張った割には不完全燃焼で拍子抜けしました。でも最後の30分の見せ場だけはさすがに見応えがありました。エピローグでも1作目を彷彿させる雰囲気もありました。大仕事の後に肩の力を抜いて作ったシーンの方が楽しかったというのも皮肉なものです。そして今回も長いエンドロールの後に大事なシーンが用意されています。

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2007年5月14日 (月)

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

Photo_53 2007年5月13日 MOVIX京都

 空前のベストセラーとなったリリー・フランキーの同名自伝小説をオダギリジョー、樹木希林主演で映画化した感動ドラマです。原作者と同じ福岡出身の松尾スズキが脚本を担当、監督は『バタアシ金魚』『さよなら、クロ』の松岡錠司です。共演に松たか子、小林薫、そしてチョイ役で色んな有名俳優がゲストで出ています。また、若い頃のオカン役を樹木希林の実の娘の内田也哉子が演じて話題です。

 私は原作未読、テレビドラマ未見で今回鑑賞しました。原作者がいうように特別な展開があるわけではありません。映画は現在の病室での日常シーンと子供の頃から大学生へと順番に振り返る回想シーンの2本のストーリーが交互に同時進行で進んでいきます。回想シーンではそれぞれの時代のファッションや道具、乗り物などが登場していて、その時代の雰囲気がよく伝わりました。各エピソードはいたずらをしたり遊んだり勉強したりなど本当に普通の話ですが、どのエピソードでもオカンやオトンの優しさが溢れていました。

 後半は回想シーンが現在に追いつき1本のストーリーになります。ここからはオカンの闘病記です。樹木希林の演技が素晴らしいのですが、それはとても壮絶でした。自分の親がこんな状況になったらと思うと怖くて涙が止まりませんでした。ボクを演じるオダギリジョーも自然体で優しさがよく出ていました。抗がん剤の副作用で苦しむオカンを前にオロオロする様など、こちらも辛くて正視できませんでした。後半は涙、涙のシーンばかりですが142分はちょっと長くて疲れました。樹木希林は熱演していましたが、末期ガン患者を演じるには血色が良すぎたのが気になりました。

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スパイダーマン3

Photo_52 2007年5月12日 TOHOシネマズ二条

 人気アメコミ・ヒーローを実写映画化した空前の大ヒット・アクション・シリーズ第3弾です。それぞれに深い事情を抱えスパイダーマンへの憎悪を燃やす3人の敵との対決に加え、MJとの波乱に満ちた恋の行方、さらには謎の黒い物体によってブラック・スパイダーマンとなった青年ピーターが、自らの心の闇と向き合い深く葛藤するさまが激しいバトル・シーンとともに綴られています。

 過去2作品との違いを出したいようで欲張りな内容でかなり忙しく進みます。敵3人の人物像も描いているので少し時間が長く感じられました。おかげでドラマはしっかりしております。でも過去2作品と比べると主要人物が多くエピソードが増えたので一つ一つはアッサリ目です。一応、今回で完結予定なでの過去2作品で残っていた宿題に決着もつけてありました。ブラック・スパイダーマンになった時のピーター自身も日常生活がちょっとキザでチョイ悪で嫌な奴に変貌します。その時の行動がとても変です。ピーター役のトビー・マグワイアが慣れないキャラで無理をしてぎこちないのか、監督の演出でギャクにしているのか微妙です。

 今回もアクションはすごい迫力でテンポも良かったです。たまに動きが早すぎて前の方の席で鑑賞した私は時々ついていけないほどでした。ただ今回のテーマから仕方が無いのか出演者全員が悩みを抱えており誰も笑顔がありません。終始皆さん落ち込んでいるか泣いているかです。MJ役のキルステン・ダンストも魅力があった笑顔が今作では封印です。その為か全体的に爽快さがありませんでした。サム・ライミ監督映画の常連、ブルース・キャンベルは今回も違うキャラで登場し怪演しており楽しませてくれていました。

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2007年5月 2日 (水)

バベル

Photo_51 2007年5月1日 TOHOシネマズ二条

 『アモーレス・ペロス』『21グラム』の俊英アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が、旧約聖書の【バベルの塔】をモチーフに描き出す衝撃の群像劇です。モロッコ、アメリカ、メキシコ、日本、それぞれの場所で孤独な魂どうしが織りなす愛と哀しみ、再生への希望の物語が同時並行で鮮やかに綴られていきます。日本からは役所広司とともに参加した菊地凛子が各国の映画賞レースを賑わせ日本でも大きな話題となりました。

 この映画にはロデムもロプロスもポセイドンも出てきません。【バベルの塔】とは神に近付こうとして天にも届く塔を作ろうとした人間たちの傲慢に腹を立てた神が、お互いに意思疎通できなくなるようバラバラな言葉をしゃべらせてこらしめたというお話です。各エピソード共に共通しているのは【言葉が通じない】【心が通じない】ことによる悲劇です。この映画は娯楽作品ではないので爽快感、感動、笑い、共感などの要素は全くありません。主人公達の苦しみを淡々と描き、私達観客はまるで神の目のように淡々と見守るだけです。

 淡々と描いてありますが2時間半近い上映時間4つのエピソードを時間軸をずらしたりしてグルグルと順番に少しずつ進行していくので見ていて退屈はしません。菊地凛子の体当たり演技もあちこちの賞レースに取り上げられるだけのことはあります。最初と最後にチラッとだけ出てくる役所広司の存在感も抜群にありました。観客はたくさん入っていましたが菊地凛子効果がなければガラガラになっているくらい地味な作品です。あとブラッド・ピットがメインストーリーの主役ですが言葉が通じずドロドロのボロボロで泣いたりわめいたりするシーンばかりです。ブラピの活躍だけを期待して見に行くと大変退屈な映画となってしまいます。今回もそんな観客が非常に多く上映中にもかかわらず、あちこちで携帯でメールをしているアホがいました。

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2007年4月24日 (火)

ブラッド・ダイヤモンド

Photo_47  2007年4月23日 TOHOシネマズ二条

 内戦の続くアフリカ奥地を舞台に隠された巨大なピンク・ダイヤモンドをめぐって3人の男女の運命が交錯する社会派アドベンチャー・スリラーです。監督は『ラスト サムライ』のエドワード・ズウィック、出演は、ダイヤの密売人にレオナルド・ディカプリオ、ダイヤ密輸の実態を追う女性ジャーナリストにジェニファー・コネリー、ダイヤ採掘に駆り出された愚直な男にジャイモン・フンスー。ダイヤモンド業界の暗部に光を当てた内容が社会的な議論をも引き起こした衝撃作です。

 舞台は激しい内戦が続く1999年のアフリカ、シエラレオネです。反政府軍の人間狩りから始まります。その残酷なシーンの数々には目を覆いたくなります。子供は選挙で投票できないように利き腕をナタで切り落とされるか、麻薬で溺れさせて少年兵として洗脳されます。身体が頑丈そうな大人はダイヤモンド採掘場で奴隷のように働かせられ、残りは虫けらのように殺されます。それもこれもすべてダイヤモンドの利権の為で果てはダイヤモンド消費大国アメリカや日本の為です。娯楽映画なので物語はフィクションですが、反政府軍の残虐行為や輸入ダイヤが表舞台に並ぶまでのカラクリなど各エピソードは事実です。未だに20万人の少年兵が存在しているそうです。この映画を見た後でダイヤが欲しいとはなかなか思えません。

 映画は『ブラックホーク・ダウン』の激しい内戦シーンと『ロマンシング・ストーン』の冒険映画の両方の要素を持っています。中盤の市街地戦やクライマックスのジャングルでの戦闘シーンはとても激しいです。その中を縫ってディカプリオが友情やロマンスを絡めてダイヤを求めて奔走します。とても贅沢な作品ですが演出が他の映画で見たようなシーンばかりで、やや新鮮味が欠けていたのが残念です。今までのディカプリオはまだどこか少年の面影がありましたが今作はとてもワイルドで大人の男に成長していました。『アビエーター』の演技も良かったですが今回も素晴らしかったですし、過去のどの作品よりもカッコ良かったです。相変わらず色気がある紅一点のジェニファー・コネリーも添え物的な役柄ではなく存在感がありました。迫力の戦闘シーン、緊張感があるサスペンス、ロマンスや広大なアフリカの風景など音楽も非常にマッチしており盛り上げていました。今年のゴールデンウィークの映画の中でも1800円を出しても十分に値打ちがある作品です。

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2007年4月23日 (月)

ロッキー・ザ・ファイナル

Photo_46  2007年4月22日 TOHOシネマズ二条

  シルヴェスター・スタローンの出世作にして代表作『ロッキー』シリーズの6作目です。スタローン自ら脚本と監督もこなし、第1作から30周年を迎えた伝説のシリーズを締めくくります。現役を引退し愛妻エイドリアンにも先立たれ、おまけに一人息子との関係もこじれて満たされない日々を送るロッキーが、ある決意を胸に無謀な復帰戦に挑む姿を、彼の人生の思い出の数々をちりばめつつ熱く感動的に綴ります。

 『今さらロッキー?』と、思いましたが劇場で予告編を見ただけで涙腺が緩んでしまった私は映画会社の思うつぼにハマり行ってしまいました。主要キャストは今までのシリーズと同じ俳優を使っているのが良かったです。前半は過去の思い出に浸るロッキーが思い出の場所をあちこち、さまよい回想シーンとして過去の作品(特に1作目、2作目)の映像を多用します。新しい人達とも出会い後半への伏線のような感じであまり深く踏みこみません。はっきり言って眠かったです(ビールを飲みながら見た私も悪いですが)。

 でも、いつもように例のテーマ曲にのって激しくて厳しいトレーニングが始まると一気にテンションが上ります。試合シーンともなると老体を鞭打ち不屈の精神で立ち上がるロッキーの姿を俳優としてのスタローン、自分ともダブり自然と涙が溢れました。そしてシリーズ最終章として人生最後の試合でロッキーは燃え尽きます。途中に色々な人達とあった伏線らしいものも結局後半には使わずロッキーだけに焦点を当て上映時間1時間43分とコンパクトにまとめてあります。最近ジムのトレーニングがダレ気味だった私はこの映画で闘魂を再注入されました。

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2007年4月17日 (火)

サンシャイン2057

Photo_44  2007年4月16日 TOHOシネマズ二条

 『トレインスポッティング』『28日後...』のダニー・ボイル監督が宇宙空間を舞台に描く異色SFサスペンス・アドベンチャーです。脚本は『28日後...』に続きアレックス・ガーランドが担当しています。2057年、太陽の死滅が近づき存亡の危機を迎えた人類の最後の希望を託され、太陽再生のために宇宙船に乗り込んだ男女8人の壮絶な運命をスリリングかつミステリアスに綴っています。主演は『28日後...』のキリアン・マーフィ、日本からも真田広之が参加しています。

 ストーリーは超駄作大作でバブル時代に日本(NHK,学研他)が出資して製作されたハリウッド映画『クライシス2050』(別所哲也デビュー作)にそっくりです。でも今回は監督、脚本家の実績が全然違います。印象は前半が『2001年宇宙の旅』(←作とは進路は逆で太陽へ向かう)で後半は『イベント・ホライズン』(←作では地獄の門開いたが今回は神との対峙)と、いう感じです。内容はすごく地味なので大金を掛けて大掛かりな特撮を使っても制作費を回収できるのか心配ですが、作品自体は特撮部分がしっかりしていないとリアリティーが出ないので見ている分には楽しめました。

 太陽へ向かう途中で次々とアクシデントが起こり1人また1人と乗組員が命を落としていきます。真田広之をはじめハリウッド映画として超主役級が出ていないので誰が助かり誰が助からないのか予測ができないので緊迫感がありました。あとはクライマックスでどう盛り上げるかでしたが・・・急展開で緊張はしましたが、それまでのスケールの大きな展開の割にはちょっとチープな展開に収まってしまいました。見終わった後の爽快感はありませんが、後味が悪いこともありません。太陽の圧倒的な存在感を出した撮影は素晴らしかったので余韻も十分にありました。賛否両論で見る人を選びますが期待せずに見たら意外に楽しめる作品でした。真田広之の扱いは宣伝とは違い実際は主役ではありません。英語セリフでのハリウッドデビュー作となりましたが、これからのハリウッドでの活動のPR用の出演という感じでしたがなかなか良かったです。

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2007年4月10日 (火)

プロジェクトBB

Photo_43  2007年4月9日 TOHOシネマズ二条

 お人好しの泥棒3人組がひょんなことから赤ちゃんの面倒を見るハメになり、その元気な赤ちゃんに振り回されるジャッキー・チェン主演のアクション・コメディです。共演は、ジャッキーとは『キャノンボール』以来26年ぶりとなる【Mr.BOO】ことマイケル・ホイと『エレクション』のルイス・クーそして17年ぶりのジャッキー映画出演ユン・ピョウです。監督は『香港国際警察/NEW POLICE STORY』のベニー・チャンです。

 前半はドタバタコメディの形を取りながら出演者達の紹介やその背景説明そして後半への伏線を作っていました。中盤から後半はアッと息を飲む連続のアクション、後半は前半に張った伏線を使ってお涙頂戴という流れでした。ゲラゲラ笑ってハラハラ手に汗を握って最後はホロリとさせる組立です。赤ん坊の身体を張ったアクションと笑顔も大きな見所でした。大変欲張りなシナリオなので時間も126分と、ちょっと長めでした。題名から連想される『プロジェクトA』とは全く関係ない映画でした。

 香港映画らしく荒っぽい演出ですが相変わらずスタントシーンはすごいです。ガラガラの映画館で私の周りは誰もいないので自宅で鑑賞しているようにおもいっきり声を出して叫んでしまうほど危ないシーンの連続でした。ただ濃厚過ぎて危険なスタントシーンは全部のシーン合わせても20分くらいです。でも見応えはありました。後半のお涙頂戴シーンは【泣かせよう、泣かせよう】と、しすぎるのと突っ込みどころ満載で逆に醒めてしまいました。あんな救命法はありえないです。

 久しぶりに見たユン・ピョウはブクブクに太ってしまいアクションのキレもすっかり鈍ってしまっていて淋しかったです。それに比べてジャッキー・チェンのアクションは頑張っていましたが顔色がすごく悪く真っ青なシーンがたくさんあったのが気になりました。

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2007年3月13日 (火)

守護神

Photo_42  2007年3月12日 TOHOシネマズ二条

 死と隣り合わせの危険な任務に当たるアメリカ沿岸警備隊を舞台に伝説のレスキュー・スイマーと彼に憧れる訓練生との葛藤と絆を描く感動アクションです。メディアでは『愛と青春の旅だち』+『海猿』という感じで紹介されています。でも私は『海猿』というより【『パーフェクト・ストーム』の救助シーン】を最初と最後に追加したという印象でした。主演はケヴィン・コスナー、共演に『バタフライ・エフェクト』のアシュトン・カッチャーです。監督は『逃亡者』『沈黙の戦艦』のアンドリュー・デイヴィスです。

 救助シーンは最初と最後だけで139分の大半は訓練学校での出来事を描いています。それが現代版の『愛と青春の旅だち』と言われる理由です。鬼上官による厳しい訓練と酒場でナンパした彼女と18週間の訓練期間だけの恋愛感情は抜きの関係を持つのも同じです。でも比べると今回はいまいち盛り上がりません。鬼上官と訓練生の絆をメインに描こうとしているのですが、これも感情移入できません。それは訓練生演じるアシュトン・カッチャーが【学生時代の暗い過去を背負う天才スイマー】にはどうしても見えないからです。人の良さそうな顔で、どこか飄々としていて厳しい訓練シーンでも全然苦しそうに見えません。そのせいで訓練シーンも運動会に見えてしまいます。上官との関係をじっくり描こうとするあまりに他の訓練生仲間の存在感も薄かったです。

 最大の見所の救助シーンは、すごい音響で大迫力ですが『パーフェクト・ストーム』の救助シーンとあまり差がありません。むしろあちらの方が緊張感がありました。そして最初の救助シーンが【嵐の中の漁船】だったのにクライマックスでも、同じく【嵐の中の漁船】では芸が無さ過ぎます。実際には漁船の救助が一番多いのかもしれませんが映画としてはクライマックスは潜水艦やタンカーやフェリー等にして欲しかったです。結局、他の映画の良いシーンを取り入れてうまくまとめて手堅く作った感じです。厳しいことを書きましたが俳優陣は頑張っています。ダブル主役の1人、久しぶりに見たケビン・コスナーの抑えた演技は渋くてすごく良かったです。そしてもう1人、先程に文句を書いたアシュトン・カッチャーも前半の飄々とした表情と後半の一人前になった時の表情とは全然違いカッコ良かったです。

 ケビン・コスナーかアシュトン・カッチャーのファンで『愛と青春の旅だち』『海猿』『パーフェクト。ストーム』を見ていない人なら十分に楽しめると思います。

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2006年12月19日 (火)

硫黄島からの手紙

Photo_36 2006年12月18日 TOHOシネマズ二条

 硫黄島での戦いを日米双方の視点から描く2部作の『父親たちの星条旗』に続く第2弾です。アメリカ留学の経験を持ち親米派でありながらアメリカを最も苦しめた指揮官として知られる知将・栗林忠道中将が家族に宛てた手紙をまとめた『「玉砕総指揮官」の絵手紙』を基に、本土防衛最後の砦として、死を覚悟しながらも一日でも長く島を守るために戦い続けた男たちの悲壮な最期を描いています。主演は『ラスト サムライ』の渡辺謙、共演に人気グループ嵐の二宮和也です。

 前作に続いて今作もクリント・イーストウッド監督は英雄を描いた戦争映画にしていません。戦闘シーンは悲惨なシーンや醜いシーンばかりでカッコイイシーンは一切排除していました。そして日米双方の兵士がそれぞれ優しいシーンと憎むべきシーンがあります。どちらが正しいとか敵味方とか関係なくできるだけ中立に描いてありました。それによって戦争の愚かさが浮き彫りになっています。日本の俳優陣の演技も良くてすごく健闘していました。『5日で終わるとされた戦いを、36日間、戦い抜いた男たち・・・』と、キャッチフレーズがありますが今回の映画ではどうやってそこまで踏ん張れたのかは描いていません。日本兵は逃げるばかりでその先々でのエピソードを繋いでいます。

 渡辺謙扮する栗林中将は地下要塞の構想を立てますが、いざ戦闘が始まると命令系統は断たれ司令部は孤立してしまい何もしていないように見えます。そして栗林中将を気に入らない各部隊の士官は勝手な行動を繰り返すばかりです。全員が一致団結し一枚岩で反撃するシーンを期待していたのに、そんなシーンはありません。こんなバラバラな部隊で36日間も踏ん張れるようには見えません、踏ん張れたのは地下要塞を作れたからと、だけにみえます。ここでも英雄を撮らないという監督の意図が見えます。そして嵐の二宮和成が扮する兵士の嫁さんがいまさら裕木奈江というのも不釣合いに見えました。

 この映画はアメリカ産の日本映画です。予備知識をゼロにして見たら時代考証や情報、展開、小道具、衣装など本物の日本映画のようです。よくここまでしっかり調査して作り上げたと感心しました。ただ【外国産映画】だと分かるシーンもあります。【『天皇陛下万歳!』三唱】や『御霊となって靖国で会おう』なんてセリフや演出がポンポン出てきます。今の日本の映画会社では絶対できないでしょう。『ラスト サムライ』で時代劇、『SAYURI』で人間ドラマ、『硫黄島からの手紙』で戦争映画をと、次々と日本産映画よりも見応えのある日本映画をアメリカ映画で作られてしまうのは少し情けない思いがしました。でも悲しいかな日本産映画で今回のような映画を作っても大コケするのは間違いありません。

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2006年12月11日 (月)

007/カジノ・ロワイヤル

007 2006年12月9日 MOVIX京都

 過去4作にわたってジェームズ・ボンドを演じてきたピアース・ブロスナンに代わり、新たに抜擢されたダニエル・クレイグ扮する6代目ボンドが初登場するシリーズ通算21作目です。イアン・フレミングによる原作シリーズの原点『カジノ・ロワイヤル』を本家シリーズとしては初の映画化です。【007】として初めての過酷なミッションに挑む若きジェームズ・ボンドの活躍と“運命の女”との切ない恋の行方を描iいています。監督は『007/ゴールデンアイ』『マスク・オブ・ゾロ』『バーティカル・リミット』のマーティン・キャンベルです。

 最初ダニエル・クレイグを見たときジェームズ・ボンド役よりも悪役の方が似合っている気がして違和感を感じました。ところが話が進むうちにすんなり受け入れられました。前4作の復活版シリーズはそれまでのシリーズと違いCGやVFXを多用して『そんな、アホな~』というボンドの超人ぶりが売りでしたが今シリーズから原点に戻り生身のアクションの連続です。今回のボンドは【若さ】が売りですから【走る】【飛ぶ】【殴る、殴られる】などのシーンが多く今回のボンドは顔や身体の生傷が絶えませんでした。

 開始早々のアクションシーンはこの監督の『バーティカル・リミット』を彷彿させるような高所でのアクションで緊張の連続で一気に引き込まれました。題名の通りカジノのシーンが目玉で結構長い時間を取っています。歴代のボンドのように今回のボンドもタキシード姿がとてもカッコ良かったです。ただポーカーの勝負のシーンは長い時間を取っている割には相手の手札、こちらの手札が一瞬しか映らないので見ているこちらはお互い何を待っているのか分からないのでカードを出す緊張感が無くて長い分ちょっと退屈でした。ブライアン・デ・パルマ監督みたいに画面を分割にしてそれぞれの手札が見えるような工夫があれば良かったと思います。

 他のシーンはもう最高でした。最後までロマンスありアクションとどんでん返しの連続で2時間半の上映時間の長さは全く感じませんでした。子供の頃のブルース・リーの映画のように久しぶりに映画館を出るときに自分が主人公になりきっていました。

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2006年12月 9日 (土)

武士の一分(いちぶん)

Photo_35 2006年12月8日 MOVIX京都

 山田洋次監督による『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』に続く藤沢周平原作時代劇3部作の第3弾です。小藩の下級武士である主人公が妻とのつましくも幸せな生活を踏みにじられたとき一人の男としての尊厳を懸け毅然と立ち上がる姿を描いています。主演は木村拓哉、共演に宝塚出身でこれがスクリーンデビューとなる檀れい、笹野高史、坂東三津五郎です。【一分(いちぶん)…その人の面目(広辞林より)】

 過去の2作品は下級武士の日常を中心に描いていましたが今回もその部分が中心に描いてあります。前作まではその日常を見ているだけでも楽しめましたが今回は少し退屈でした。それは生活感が感じられなかったからです。今までは東北の素晴らしい風景を織り交ぜ、四季を通じての色んな慣習などが描いてありました。今回はほとんどセットの中でのやりとりに終始しています。そして日常を描いたシーンは【食事】と【来客との会話】がほとんどでした。一応、四季は感じられますがそれはすべて庭から見える風景(セット、CG)です。

 ストーリーはお毒見役で失明し職を失った武士の妻が生活に困って上司に恩給がもらえるよう嘆願する為に身体を捧げます。怒った武士はその上司に果し合いを挑みます。ストーリーが非常に暗い為に集客用に華のある役者が選ばれました。実際、私の周りでも過去2作品は見ていないけれど『キムタクの今度の時代劇は見たい』と、いう女性が何人もいました。でも木村拓哉が人気だけで選ばれたわけでもありません。元々実力はありますし山田監督の演出や他の実力派俳優陣の相乗効果で演技や時代劇の所作は素晴らしかったです。

 木村拓哉のおかげで、そこそこヒットすると思いますが作品の内容の出来としては『たそがれ清兵衛』のような感動や癒しには及びませんでした。過去2作品と比べたらというだけで、この映画単体としては山田監督らしいユーモアを織り交ぜた丁寧な演出はいつも通りなので映画を見て笑ったり、落ち込んだりと2時間十分に楽しませてもらいました。

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2006年11月24日 (金)

トゥモロー・ワールド

Photo_29 2006年11月23日 TOHOシネマズ二条

 英国を代表する女流ミステリ作家P・D・ジェイムズの【人類の子供たち】をハリー・ポッター・シリーズ中で私が一番楽しめた【ハリー・ポッターとアズカバンの囚人】のアルフォンソ・キュアロン監督が映画化した近未来SFサスペンスです。子供が誕生しなくなって18年経った2027年、近未来の地球を舞台に人類の未来を左右する一人の少女を巡る攻防に巻き込まれた主人公の運命をスリリングに描いています。すでに日本では環境ホルモンや電磁波の影響と思われる若い男性の精子の減少、女性の社会進出による晩婚化、未婚率の上昇、そして格差社会による低所得者層の増加に伴い、少子化が叫ばれているので絵空事ではないです。

 希望を失った全世界は暴力と無秩序が拡まり崩壊状態で、こうした中イギリス政府だけは国境を封鎖し不法入国者の徹底した取締りで辛うじて治安を維持しています。近未来といっても街並み、車、生活は現在とほとんど同じで【アイ,ロボット】や【アイランド】と違いお金は全然かかっていません。最近は夢と希望に溢れた未来社会を描いた映画はほとんどありませんが何故でしょう?この作品もただ滅亡を待つだけなのに戦争やテロを繰り返す人類を描いています。舞台は近未来ですがSF映画でもありません。どちらかというと市街戦を描いた戦争映画に近いです。

 戦争映画ですが戦闘シーンはクライマックスまでありません。それまでの途中の展開も特に目新しいものは無く非常に眠かったです。ただ、この映画が評価されているのは最後の戦闘シーンでの【8分間ノーカット長回し】とその後に訪れる【感動的なシーン】がある為です。ノーカット長回しのアクションシーン自体はトニー・ジャー主演の【トム・ヤン・クン】でもあったので、そんなに驚きはしませんでした。でも戦争シーンでノーカット長回しは臨場感がすごく出ていて【戦場の怖さ】が良く出ていました。そして【感動的なシーン】は確かにカタルシスがあり涙腺が刺激されました。独身の私でもウルッとくるくらいですから子供を持つ親御さんが見たらより感動的でしょう。

 ただ、今回は休日の夕方に映画館へ行ったので割引無しの1800円で鑑賞しました。この【最後のシーン】を見れただけで1800円の値打ちがあるという人とビデオやテレビで十分という人と極端に意見が分かれる映画です。

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2006年11月21日 (火)

ソウ3

Photo_28 2006年11月20日 TOHOシネマズ二条

 斬新なトリックと壮絶な残酷描写で世界的に大ヒットしたシチュエーション・スリラーのシリーズ第3弾です。謎の殺人鬼【ジグソウ】が仕掛ける新たなゲームが幕を開けます。シリーズの生みの親ジェームズ・ワンとリー・ワネルは原案と製作総指揮を担当し監督は『ソウ2』に引き続きダーレン・リン・バウズマンが担当です。トリックを解く爽快感よりショック度が段々増して来ています。心臓の弱い方はご遠慮ください。

 観客席の周りの反応がすごかったです。急に『ドン!』と出てきてビックリさせるのではなく、不快な音を大音響で目を覆いたくなるようなシーンの連続で耳を塞ぐ人、身体をよじって正視しない人、おもわず声をあげてしまう人等色んな反応によって座席がグラグラ揺れます。普通は血しぶきが上る瞬間に絶叫だけが響き場面が変わることが多いのですが、この映画は画面を逸らしません。こんな残酷なシーンの数々をよく考え付くものだと作った人達の神経を疑います。上映時間は今までの作品と比べてちょっと長めですが最後まで飽きずに見られました。

 今作は過去の作品の種明かしをいくつか出しているのでシリーズ未見の方は過去の作品から順番に見てください。このシリーズは残酷な殺人シーンも売りですが、もう一つ【最後にアッと驚く結末】が用意されていることです。今回も用意されていますが今までにように『そうだったのかぁ~、全然わからなかった、やられた』という爽快感ではなく後味の悪い結末です。そして前述の種明かしも特に観客が気になっていたことについてではなく、どうでもいい事柄についての種明かしに時間を割いています。それが上映時間が長くなった原因です。興味深いですが無駄なシーンだと思いました。

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2006年10月30日 (月)

父親達の星条旗

Photo_27 2006年10月29日 TOHOシネマズ二条

 『ミスティック・リバー』『ミリオンダラー・ベイビー』の巨匠クリント・イーストウッド監督が太平洋戦争で壮絶を極めた硫黄島での戦いをアメリカ側、日本側それぞれの視点から描く2部作の第1弾です。硫黄島の擂鉢山に星条旗を掲げる6名の兵士を写した有名な戦争写真の裏側に秘められた真実の物語を描く人間ドラマです。写真に登場する6名のうちの1人ジョン・ブラッドリーを父に持つジェイムズ・ブラッドリーの書いたノンフィクション『硫黄島の星条旗』を基に、凄惨な硫黄島での戦いと戦場を生き延び帰還した3名の若者が自らの思いとは無関係に【勝利の象徴】として英雄に祭り上げられ、戸惑いや苦悩を深めていくその後の人生を静かに見つめていきます。

 製作はスティーブン・スピルバーグがしています。硫黄島での戦闘シーンは『プライベート・ライアン』を彷彿させます。原作を書いたジェイムズ・ブラッドリーは父親から聞いた話をまとめて『硫黄島の星条旗』を書いたのではありません。この映画の中でも描かれていますが彼の父親は当時の話は一切口をつぐんだまま亡くなりました。ということで彼は生き残っている周りの人達からインタビューをして情報を集めて仕上げました。この映画は【硫黄島での戦闘】【星条旗を掲げた3人の帰国後の苦悩】【ジェイムズ・ブラッドリーの情報収集】の3本柱を同時進行で進めて行きます。

 結論から言うと戦争映画ですが【痛快娯楽映画】や【号泣する感動作】でもありません。有名な1枚の写真の裏に【こんな真実があった】と教えてもらえる映画です。監督のクリント・イーストウッドは戦場、祖国での戦争の愚かさを全面に出して反戦のメッセージを込めていますが、それ以外のメッセージ性は出ないように静かに淡々と描き過剰な演出は抑えています。映像の見所は戦闘シーンだけです、時間軸通りに戦争・帰還・真実と順番に描くと尻すぼみになってしまい退屈します。3本柱を同時進行で進めることで戦闘シーンもできるだけクライマックスを後に引っ張り出し惜しみをしていました。

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2006年10月10日 (火)

ワールド・トレード・センター

Photo_26  2006年10月9日 TOHOシネマズ二条

 9.11米国同時多発テロの際、崩落した世界貿易センタービルの瓦礫の中から奇跡的に生還した2人の港湾警察官の感動の実話を映画化しました。主演はニコラス・ケイジとマイケル・ペーニャ。監督は『プラトーン』『JFK』のオリヴァー・ストーンです。今回はオリバー・ストーン監督には珍しく政治的主張や過激な自分の考えの押し付けみたいなのがほとんどありませんでした。ただ『そこに起こった出来事』を忠実に再現しているだけです。

 ストーリーは飛行機が突っ込んだワールド・トレード・センターに到着し地下で救助の準備をしている途中で建物が崩壊し生き埋めになった警官とその家族達を描いています。2時間超えの大作ですが、『生き埋めになって身動きができない警官が暗闇でお互い声だけで励ましあいながら救助を待つ』シーンと『警官の家族達がなかなか来ない生死の連絡をやきもきしながら、待つしかない』シーンを交互に繰り返すだけです。なのでレスキュー隊の活躍を描いた作品ではありませんでした。まだ現時点でヒーロー物の娯楽映画を作れるほどアメリカの傷は癒えていないということでしょう。

 でも崩壊シーンやその後の瓦礫の山のセットの規模はすごかったです。本当に事故現場で撮影したみたいでした。生き埋めになった警官達のシーンは暗闇ばかりで外の救助隊の様子をほとんど描いていていません。だから見ている観客も感情移入がすごくできて生き埋めになった警官達の恐怖や不安がすごく伝わり緊張しました。家族のシーンも同様で警察署の様子がほとんど無いので、待たされる家族の様子がすごく伝わりました。長時間双方の様子が描かれて十分感情移入できている観客は最後に再会するシーンは本当に胸が熱くなりました。そして救助隊の大活躍のシーンも最後の最後で登場しこちらのシーンも熱かったです。

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2006年9月11日 (月)

X-MEN:ファイナル・ディシジョン

X 2006年9月10日 TOHOシネマズ二条

 並はずれた特殊能力を有するミュータント集団【X-MEN】の活躍を描くマーヴェル・コミック原作の大ヒット・シリーズ第3弾にして最終章と銘打たれたSFアクション大作です。今や各映画で主役級になったヒュー・ジャックマン、ハル・ベリーをはじめレギュラー陣が再集結しました。人類との共存を目指すX-MENに訪れた最大の試練を壮大なスケールで描いています。監督は前2作のブライアン・シンガーが【スーパーマン・リターンズ】の方へ行ったので【ラッシュ・アワー】シリーズ、【レッド・ドラゴン】のブレット・ラトナーに変わりました。非常に単純で分かりやすい映画になったのでアメリカでは同時期に公開された【スーパーマン・リターンズ】よりもダントツにこちらの方が大ヒットしました。

 監督が変わっての一番の違いは前作まであったテーマ性が薄れて娯楽映画に徹しています。そして前作までのミュータント達に加えてさらに色々なミュータントが出てきています。それでも顔出し程度に終わらずそれぞれに一応見せ場が用意してあります。ストーリーはミュータントとの全面戦争を避けたい人類がついに治療薬【キュア】を開発します。これを使えば、ミュータントたちは完全に普通の人間に戻るというものです。能力を失う事を恐れるマグニートー率いる【ブラザーフッド】は、【キュア】生産のカギとなる少年の拉致に動きそれを【X-MEN】が阻止する、という単純な話です。

 見せ場はやはりクライマックスのミュータント同士の全面戦争です。すごい特撮と音響で迫力満点です。そして似た能力(または相反する能力)同士で戦うので見た目も非常に分かりやすくテンポが良いです。テンポが良すぎて逆に結末があっけなく感じます。最終章ということで主要キャラクターも次々退場していきます。主役なのに一番地味な能力の【ウルヴァリン】は今回は彼しかできない仕事が用意されていました。今回かなり【なんでもあり】の世界になってきていてこの先、どう収集つけるのか心配していましたが最終章ということでいいところで終わったと思います。またまたエンドクレジットの後にアッと驚くオマケ映像があるのですぐに帰らないようにしてください。

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2006年9月 5日 (火)

マイアミ・バイス

Photo_25 2006年9月4日 TOHOシネマズ二条

 1980年代に人気を博した同名TVシリーズを当時その製作総指揮を務めていた『ヒート』『コラテラル』のマイケル・マン監督自ら映画化したクライム・サスペンスです。セレブが集う楽園都市にして中南米と北米を結ぶ密輸の中継地として国際犯罪組織も巣くう街マイアミを舞台に危険な潜入捜査に当たる2人の刑事の奮闘をリアルかつスタイリッシュに描いています。主演は『S.W.A.T.』のコリン・ファレルと『Ray/レイ』のジェイミー・フォックス。共演に『SAYURI』のコン・リーが出演しています。

 私はTVシリーズは未見です。ファンの方にはTVシリーズと雰囲気が全然違うのでいまいち評判は良くないようです。私は予備知識なしで純粋にマイケル・マン監督ファンとしてバディームービー(俗にいう相棒と組んで事件を解決する映画)を鑑賞しました。マイケル・マンの演出は相変わらずカッコイイです。『ヒート』『コラテラル』のように素晴らしくクールで綺麗な街の夜景を存分に挿入しています。同じく乗り物のシーンも素晴らしいです。夜の高速を疾走するスポーツカー、夕日をバックに水平線に向かって疾走する高速ボート、澄み渡った水色の空を飛行するジェット機、マイアミの夜景をバックに旋回するヘリコプター等カメラワークを駆使した演出とそれにマッチした音楽にはウットリします。

 そしてリアリティー溢れる銃撃戦は大音響で緊張感抜群で迫力満点です。もう監督の演出には大満足です。でもこの映画もですが演出に拘るあまりに上映時間が長いです。この映画も軽く2時間超えしています。ストーリーも時間が長い割にはたいした話ではなく最後もスッキリしません。そこらへんも相変わらずマイケル・マン監督でした。アクションシーンは最後の銃撃戦までほとんど無く、陳腐なストーリーなのに夜景と乗り物を丁寧に描いていて時間がかかりテンポが悪くなりなかなか進みません。単純にスカッと楽しめる映画ではありません。総合的には『ヒート』と『コラテラル』の中間くらいだと思います。この2作品が楽しめたなら今回も楽しめます。

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2006年8月22日 (火)

スーパーマン リターンズ

Photo_24 2006年8月21日 TOHOシネマズ二条

 アメコミヒーローの原点【スーパーマン】がスタッフ、キャストを一新してついに復活しました。前シリーズの2作目【スーパーマン II/冒険篇】の後を引き継ぎ、5年ぶりに地球に戻ってきたスーパーマンの活躍を最新の映像技術を駆使して壮大なスケールで描いています。私は前シリーズはリアルタイムで映画館で見ていました。特に1作目を見たのは当時中学生でしたがオープニングを見た時の爽快感や感動は今でも忘れられません。今まで見た映画の中でも前シリーズの1作目のオープニングは私の中のベスト5に入る出来です。そしてオープニングは前シリーズ2作目はアレンジ失敗、3作目はコメディーになってしまい、4作目はインパクトが無く覚えていません。

 今回は久々なので期待のオープニングでしたが…素晴らしかったです。例のテーマ曲がのって前シリーズ1作目のオープニングを最新の技術で進化し【リターンズ】らしくアレンジされていて鳥肌もんでした。いつまででも浸っていたいほどの爽快感です。そしてテーマ曲とオープニングタイトルが終わると共に劇場内に入ってきた女性二人組!ここを見ずして彼女らは何をしに来たのでしょう?というくらいもったいないシーンでした。本編の最大の見せ場は飛行機の墜落シーンと目で弾丸をはね返すシーンですがすでにCMや予告編で使用済みです。それでも大画面で見る価値は十分にあります。そして空を飛ぶシーンはすごく滑らかです。

 はっきり言ってしまえばこの【スーパーマン・リターンズ】は前シリーズ未見の方にはあまり見所がありません。キャラクター紹介、それまでの人間関係、それまでのいきさつなどの説明は一切ありません。そして作品全体が前シリーズ1作目のオマージュとなっています。前シリーズで使われた名シーンや名セリフをアレンジして私たちにニヤリとさせるシーンの連続です。スーパーマンの活躍は出動してしまえばサクサク解決してしまうので緊張感がありません。ということで本編はロイスとの前作からのその後のラブストーリーが中心です。でも彼女には婚約者と子供がすでにいます。諦められないスーパーマンは夜な夜な彼女の家へ行き透視と盗聴能力を活用して生活を覗いています。こんなウジウジしたストーカーなスーパーマンは見たくありませんでした。エンドクレジットが流れはじめると一斉に席を立つお客さんが非常に多かったです。

 【スーパーマン・リターンズ】を見る予定の方は旧シリーズ1作目は必見です。時間があれば2作目も見て欲しいです。アッと思うような人物が最後に判明します。これは新シリーズの2作目以降のネタ振りなっています。

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2006年8月21日 (月)

花田少年史 幽霊と秘密のトンネル

Photo_23 2006年8月20日 MOVIX京都

 一色まことの人気コミックを実写映画化した人情味溢れるファンタジー・コメディです。交通事故で頭に大怪我をして以来、幽霊が見えるようになってしまったばかりに、幽霊たちから様々な相談を持ちかけられるハメになった少年の大冒険をほのぼのとしたユーモアたっぷりな世界を描いています。主演は『ALWAYS 三丁目の夕日』の須賀健太、監督はTV『ぼくの魔法使い』の水田伸生です。原作は5~6年前に読みました。

 まずオカン役の篠原涼子が、え~味を出していて良かったです。一路役の須賀健太も違和感無かったです。原作は細かいところは覚えていませんが前半の方はドタバタコメディーだったのが後半のネタは結構ハートウォーミングなものが多く久しぶりに漫画を読んで感動したのを覚えています。さて映画の方ですがいきなりドタバタコメディーで始まります。ツカミはなかなか良かったです。原作ではここから色々な霊が相談に訪れて成仏させていくのですが…あまり訪れません。

 霊が見えたり霊に憑依させたりできる能力を利用しての活躍で中盤のネタでは不覚にも感動して瞼が熱くなりました。俄然後半への期待が膨らみます。この調子で次々霊の相談に乗って行けば良いのに、そこから急に失速してしまい原作とは全然違う映画になっています。後半は【お父さん霊】と【女子高生霊】の親子バトルの見物です。CGをふんだんに使い、激しい空中戦で【カメハメ波】の応酬です。派手な親子喧嘩が終わると映画も終わります。主人公の一路も私達観客も蚊帳の外でした。

 後半は夏休み映画ということで子供の観賞用に合わせたモノと思われますが私が行った時は子供の観客は1人もいませんでした。中盤までのパターンで通して欲しかったです。

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2006年8月15日 (火)

ユナイテッド93

Photo_21 2006年8月14日 TOHOシネマズ二条

 2001年9月11日、ほぼ同時にハイジャックされた航空機のうち2機はワールド・トレード・センターに、1機は国防総省ペンタゴンに激突炎上しました。しかし1機だけ乗客40人を乗せたユナイテッド航空93便は、なぜかターゲットに到達することなく、ペンシルヴェニア州に墜落しました。本作はこのユナイテッド航空93便に焦点を当てた衝撃のノンフィクション・サスペンスです。監督は『ボーン・スプレマシー』のポール・グリーングラスです。監督をはじめ製作スタッフは、遺された家族の人々や管制塔はじめ関係機関への入念な取材を行い、今となっては決して誰も知ることのできない機内の様子を含め、当時の状況を可能な限りリアルに再現、ありのままを徹底したドキュメンタリー・タッチの手法で撮っています。

 なお、本作に登場する管制官や軍関係者の一部は9月11日に実際にその場にいた本人が自ら演じています。エンドクレッジトのキャストの部分では【AS HIMSELF】と書いた名前がたくさん出てきます。前半は過剰な演出は控えて淡々と各地の管制塔でのやりとりを描いています。返事がない航空機に呼び掛けるシーンばかりで少し退屈です。でも返事がないだけではハイジャックされたと断定できない為に延々と呼び掛けるしかない管制官のジレンマが伝わってきます。途中、ワールド・トレード・センターやペンタゴンが炎上するシーンが実際のニュース映像を使って挿入されます。何度見ても悲惨です。

 そして最後の30分は胸が締め付けられる思いです。乗客たちは犯人の隙を突いて次々家族や知り合いに電話をします。その電話の相手の人達のインタビューから今回の映画のユナイテッド93便の様子を再現しています。生存者はゼロなのでどこまで本当かは分かりませんがそれまでのドキュメンタリー・タッチの進行の影響ですごくリアリティーがあります。乗客たちが力を合わせてユナイテッド93便を奪還しようと最後の最後まで諦めずに奮闘する姿は心が熱くなります。そして訪れる最後のシーン、映像は正視するのが辛かったです。

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2006年8月 1日 (火)

ゲド戦記

Photo_20 2006年7月31日 TOHOシネマズ二条

 ル=グウィンの名作ファンタジー『ゲド戦記』をスタジオジブリが映画化した長編アニメーションです。宮崎駿監督の息子、宮崎吾朗の第一回監督作品です。5章(外伝を入れて6巻)からなる『ゲド戦記』の中で今回は第3章を映画化しました。少しは説明がありますが世界観としてはほとんど説明がないまま本編が進んでいきます。この映画は【絵】は今までのジブリ作品ですが【内容】は今までと全然違います。いつも子供から大人まで楽しめる【ジブリ作品】ですが、今回は子供の鑑賞には適していません。

 いきなり始まって早々【ある事件】が起こり何が起こったかよく判らないまま映画はそこから最後まで静かで落ち着いた状態になります。【ゲド戦記】と題しながらゲドは脇役で主人公はアレンという若者です。そのアレンの内面の変化を農家での日常生活を通して淡々と描いていますがそれが非常に退屈です。いつもならそういう退屈なシーンでも【可愛いキャラクター】などが出てきたり【楽しい演出】で子供たちにも楽しめるようなサービスがありますが今回は一切ありません。農家での日常生活が延々と続きますがそんなに重要なシーンとは思えないシーンが多々あります。それならもう少し物語に対して説明的な部分があっても良かったと思います。

 退屈な映画ですがクライマックスになると宮崎吾朗演出もそこそこ楽しめました。最後の30分だけは面白かったです。それでも初めから積み重なった数々の【謎や疑問】にはほとんど解答は提示しないまま終わってしまいます。途中から現れた敵ボスとアレンが戦って終わるだけです。最近のジブリ作品は私としては期待外ればかりなので今回も『こんなもん』という感じでした。ストーリー、演出は別として絵のクオリティーは相変わらず高かったです。

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2006年7月31日 (月)

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

Photo_19 2006年7月30日 TOHOシネマズ二条

 2003年に公開され世界的に大ヒットしたアクション・アドベンチャーの続編です。前作に続いてジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイが再登場。監督も引き続きゴア・ヴァービンスキーです。今回は前作を見ていることが必須です。それも直前に再鑑賞しておくことをお薦めします。ストーリーは前作の続きからですが全く別の話です。しかし登場人物は主要、脇役キャラクターがほとんど前作から引き継いでおり【どこの誰だか?】ちゃんと判っていないと着いていけません。会話の中でも【前作の人物名、キーワード等】も説明もなく使われています。

 上映時間は151分もあり非常に長いです。トイレ対策もしっかりしておきましょう。前半は主要3人がバラバラに行動しそれぞれのストーリーが伏線となり進みます。後半3人が合流することで話が1本にまとまります。この前半の部分が非常に退屈です。それぞれのストーリーも会話が中心で似たようなシーンばかりであまり見せ場がありません。時々眠気覚ましでアクションシーンがチラッと出てきます。アクションシーンは前作に続いて色々アイデアが練ってあり楽しくて非常に面白かったです。

 後半はアクションシーンの連続でそれまでボーっとしてたのも一気に吹っ飛びます。2時間くらいにまとめてあるとテンポがあって良かったと思います。でもこの映画は次回作の繋ぎである為に前半の説明が必要だったのでしょう。そうです!この映画は途中で終わるんです。次回作は2007年5月公開です。あんなところで終わって1年近く引っ張るのは酷すぎます。今回もエンドロールの後に重要なオマケ映像があります。このエンドロールもムッチャ長かったです。でも前作の【パイレーツ・オブ・カリビアン・ワールド】が楽しめたら今回も楽しめるでしょう。

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2006年7月25日 (火)

日本沈没

Photo_17 2006年7月24日 TOHOシネマズ二条

 小松左京原作で1973年に映画化、1974年にテレビドラマ化に続いてのリメイクです。1973年度版はリアルタイムで鑑賞しましたが1974年度版のテレビ版は断続的にしか見ていません。今回の主演は草彅剛&柴咲コウという大ヒット間違いなしコンビを据え1973年版の大ファンという【ローレライ】の樋口真嗣監督が得意とする特撮技術をふんだんに生かして作ったド派手な娯楽映画です。でも肝心の撮影監督は【隣人13号】の河津太郎に任せています。映画はまずハイパーレスキュー隊員役の柴咲コウのカッコイイ登場から始まります。

 【レスキュー隊】は消防士の中からとんでもない高いレベルの体力テスト、学力テストに合格しさらに地獄のような訓練を経てやっとなることができます。まさに消防士のエリート集団です。【ハイパーレスキュー隊】はさらに高度な救助・救急技術と重機の運転資格等を有する【レスキュー隊】からの選りすぐりの隊員達です。この役をナヨナヨした体型でブカブカのヘルメットをかぶった柴咲コウが演じるには最初から無理があり嫌な予感がしました。掴みはOKでしたが始まって早々ロープでの基本的な降下訓練中にミスをして怪我をして映画後半まで自宅療養する始末。ハイパーレスキュー隊員として恥ずかしいです。

 これはとんでもない無茶苦茶な映画です。【日本沈没】とはパニック大作ではなかったのでしょうか?前作では地震で逃げ惑う群集の頭の上のビルが崩落し割れて落ちた窓ガラスが目に突き刺さり血が噴出すシーンや街中で火災に巻き込まれた人々が黒焦げなって折り重なったり林のように乱立しているシーンなどは子供心にトラウマになるくらい衝撃的でした。でも今回はパニックシーンはほとんどありません。せいぜい食料を求めてスーパーで買占めするシーンくらいです。日本を飛行機や船で脱出する長蛇の列の人々はみんな落ち着いておりまるでテーマパークのアトラクションを並んでいるようです。震災で街が崩壊するシーンはすべて無人です。いくら特撮技術が向上して以前よりもリアルな崩壊シーンが撮れてもが無人では震災シーンではありません。

 この映画は時間軸がしっかり描けていないのも失敗です。【無人の都市の崩壊シーン→飛行機や船を慌てずに並ぶ群衆→震災対策本部の会話→草彅剛&柴咲コウの会話】135分間この単調な繰り返しです。その間、数ヶ月は経過しているはずですがまるで2~3日のできごとのようです。主役の草彅剛は初めから終わりまで役目はなくただフラフラ日本中を彷徨っています。ある時は東北の実家、ある時は自分の職場、ある時は彼女の職場、ある時は火山灰が降る被災地など急にフラッと現れます…服装はずっと同じなのに顔も服も泥一つなく清潔です。まるで【どこでもドア】で移動しているみたいです。皆さん身体に発信機が埋め込まれているのか通信網、交通網がズタズタのはずなのに探している相手の場所へピンポイントで移動できます。

 草彅くんは最後の最後にやっと仕事が与えられますが…耐圧深度6500メートルの潜水艇が水圧で潰された現場へ退役して展示してある耐圧深度2000メートルの潜水艇で向かいます。柴咲コウはよく号泣しますがいつも涙が一滴も出ません。よっぽど退屈だったのか映画鑑賞中、若い女性の2人組が携帯を持って私の目の前を頭を下げずに何度も行ったり来たりします。最後はガラガラの場内での自分の席に戻るのが面倒になったのか私から5席ほど隣でずっと映画が終わるまでメールしていました。【カチカチ】とせわしなくボタンの押す音が耳障りです。注意するのにも少し距離があるのでどうしょうもありませんでした。

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2006年7月18日 (火)

サイレントヒル、M:i:Ⅲ

Photo_14『サイレントヒル』

2006年7月16日 MOVIX京都

 コナミの人気ホラーゲームを【ジェヴォーダンの獣】のクリストフ・ガンズ監督で映画化しました。【ジェヴォーダンの獣】は私が【途中で力尽きて寝てしまった映画5本】の1本です。ビジュアルや雰囲気は良かったのにイメージビデオみたいで退屈な映画でした。今回もそこのところが不安でした。ゲーム版の『サイレントヒル』は現在4作品出ています。私は1作目のみプレイ済みで結構楽しめました。映画版は1~2作目を題材にしているようです。

 今回もビジュアル的な部分はゲーム版の雰囲気が十分に出ていました。【サイレンの音と共に闇の世界に変化する】シーンは素晴らしかったです。クリーチャーも一部を除いてなかなか不気味で良かったです。でもそれだけでした。主人公は2時間以上ある中でほとんど廃墟と化した街『サイレントヒル』をウロウロするだけで全然話が進みません。行方不明になった娘の手掛かりを何か見付けて少しずつ近付くこともほとんどなく、クリーチャーを倒す訳でもなくただ街中に時々現れる謎の少女を追いかけるだけでした。

 ゲーム版の映画化にあたって今回気付いたことはゲーム版では気にならなかった部分です。【サイレンの音と共に闇の世界に変化する】【謎のクリーチャー】などゲームをするには存在理由を追求する必要はありませんでした。ただ変化した世界に恐怖を感じクリーチャーを倒すだけで良かったのです。でも映画では存在理由や真相がないと話が終われません。今回もその部分をよくある宗教がらみの話で無理やりこじつけた感じです。最後の惨殺シーンも悪趣味でそれまでの雰囲気も台無しでした。前半の部分を重点的に描いてほしかったです。せっかくゲームの世界観がうまく出ていたのに後半の真相に近付いてからは退屈でした。

Mi32_1 『M:i:Ⅲ』(2回目鑑賞)

2006年7月16日 TOHOシネマズ二条

 2回目の鑑賞です。今回見て新しく発見することや謎が解けたという部分は特にありませんでした。アクション映画なのでそんなに奥深くありません。でも途中で眠くなることもなくドンパチを十分に楽しめました。

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2006年7月13日 (木)

M:i:Ⅲ

Mi3 2006年7月10日 TOHOシネマズ二条

 シリーズ3作目です。前2作はブライアン・デ・パルマ、ジョン・ウーという巨匠が手がけましたが今回は一転して『エイリアス』『LOST』(未見)の2大TVシリーズでエミー賞を獲得して注目を集める大型新人のJ.J.エイブラムスが劇場映画デビュー作として監督をしました。主演はもちろんトム・クルーズです。共演は『カポーティ』でアカデミー主演男優賞に輝いたフィリップ・シーモア・ホフマンが敵役を演じています。1作目はミッション重視、2作目はアクション重視でしたが今回はその中間的な位置づけでした。

 オープニング直後からこの先どうなるのか目が釘付けです。でも残念ながらストーリーは新鮮味がありません。ネタバレ覚悟でいうならばシュワちゃんの『トゥルー・ライズ』にそっくりです。それに恋人を人質に取られて助けに行くのは2作目と同じです。主人公のイーサン・ハントはどうやら学習能力が全くないようです。ただストーリーが新鮮味がないからと言って映画が面白くないとは限りません。そこは俳優と監督の腕の見せ所です。結果的には私は非常に楽しめました。2時間超える大作ですが全然気になりません。

 J.J.エイブラムスの演出は迫力満点で見事でした。次々出てくるアクションシーンは緊張の連続でした。それはほとんどスタント無しでこなしたトム・クルーズの身体を張ったアクションのおかげでもあります。彼の入魂のアクションシーンは素晴らしく全力疾走も見所の一つです。そして映画の中で数回あるミッションはチームプレイが中心です。この映画のテーマの一つが【信頼】であるようでチーム一丸となってミッションを進めていく部分は【007】や2作目とは違う魅力でした。あと敵役がもう少し大物(今回は単なる武器商人1人で部下は雑魚)で強敵な部下がいたら良かったです。今回はアクションの演出とチームワークで進めるミッションが売りでした。

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2006年6月13日 (火)

トリック 劇場版2

Photo_7  2006年6月12日 TOHOシネマズ二条

 自称売れっ子天才奇術師の山田奈緒子と石頭の天才物理学者の上田次郎の迷コンビが、毎回怪しげな超常現象の秘密を解き明かす人気TVシリーズの映画版第2弾です。ゲストには“2時間ドラマの女王”片平なぎさとTV『野ブタ。をプロデュース』の堀北真希。いつものことですがTVシリーズは未見です。さらに前作『トリック 劇場版』は自宅鑑賞2回試みるも2回とも途中で寝てしまいました。今回は夜10時からワールドカップ【日本VSオーストラリア戦】があるというのに仕事の後、劇場鑑賞です。

 前作は劇場版第1作目ということで凝りすぎたのか私のようなシリーズファンじゃない者にはよくわかりませんでした(前半は楽しめたが後半は失速)。今回の事件は非常にあっさりしています。その分、山田と上田の掛け合いがこれでもかというくらい初めから終わりまで延々と続きます。手品や事件のトリックの種明かしも変に引っ張らずにドンドン明かしてサクサク進みストレスもありません。ほとんどのセリフにクスッと笑う小ネタが散りばめられていて何処まで判るか挑戦されているみたいでした。

 シリーズファンとしては生瀬勝久演じる矢部刑事や野際陽子演じるオカンの出番がほとんど無いのが残念だそうです。でもちょっとだけしか出ませんが存在感は十分にアピールしていました。その分、山田&上田2人が大活躍です。今回は大スクリーンでの公開でしたがもう少し小さなスクリーンでの公開かテレビスペシャル版で十分の内容ではないかと思いました。でも変に凝らずにシンプルに作った分、前作に比べると今回はシリーズファンじゃない私でも最初から最後まで飽きずに楽しむことができました。

 劇場を出て帰りのタクシーに乗るとワールドカップで日本が1-0で勝っていてハーフタイム中でした。急いで帰宅して後半を観戦しましたが・・・。

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2006年6月 8日 (木)

オーメン

Photo_8 2006年6月7日 TOHOシネマズ二条

過去にシリーズとなり今までに4作品あります。今回は第一作目のリメイクです。監督は前作もリメイク作『フライト・オブ・フェニックス』を手掛けたジョン・ムーアです。前作のオリジナル版は未見ですが今回のオリジナル版は有名な映画ですからテレビで何度も見ていました。今作はオリジナル版に忠実に作ったそうです。その中でも演出のアレンジがオリジナルを見た者にとって見所です。

結果的にいうと見事に忠実にリメイクされていました。ストーリーも演出もほとんど同じで全く新鮮味がありませんでした。ただ、俳優が違うだけです。襲われる【間】とかもまったく同じなのでオリジナル版を見ている者にとっては急に襲われても心の準備が出来ているので全然驚きません。演出くらいは監督の個性を出しても良かったと思いますが、それだけオリジナル版を手掛けたリチャード・ドナーの演出が良く出来ていたということでしょうか。

さらに残念なことに惨殺シーンの演出がオリジナル版の方がよりショッキングでリメイク版の方があっさりしています。惨殺シーンくらいは最新の技術を使ってオリジナル版を上回ってほしかったです。あまりに平凡すぎて今回のリメイクの意図がわかりません。これならオリジナル版のフィルムをデジタルリマスターしてディレクターズ・カット版を公開した方がよっぽど安上がりでヒットしたと思います。

設定だけ拝借してオリジナル版と全く違う映画を作った『ポセイドン』の方がまだ楽しめました。オリジナル版を見ていない人の場合はどうでしょう?最近のテンポの良い映画に比べるとじっくり攻めてくるのでテンポが悪く退屈に思えるかもしれません。怖さも急に大音響を鳴らして驚かす古典的な手法ばかりでビックリさせるだけなので本当に怖い映画でもありません。最後に観客の入りですが前日の06年6月6日は完売で追い返されましたがこの日はレディーズデーということで3~4割くらいの入りでした。スカスカを予想していたので思ってたより入っていました。

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2006年6月 7日 (水)

オーメン

2006年6月6日 TOHOシネマズ二条

 旧約聖書<ヨハネの黙示録/13章/18節>にも示されています。『【666】は悪魔の刻印である』と。この数字が意味する“不吉な予兆”が【666】という“獣の印”を体に刻み込まれた悪魔の誕生です。オリジナル版は1976年公開です。主人公【ダミアン】は6月6日午前6時に誕生しました。この映画が公開されて以降6月6日生まれの人は『ダミアンやぁ~』と必ず言われていました。そして今年1000年に一度しかない6並びの日、【06年6月6日】通常は映画公開の初日は土曜日ですがわざわざこの日に合わせて火曜日から公開という粋な計らいです。

 『見に行くならこの日しかない!』と仕事の後、午後9時からの部を目指して急いで映画館へ向かいました。劇場に着くとすごい人だかりです。前日の『ポセイドン』『ダ・ヴィンチ・コード』の時と全然違います。とりあえずチケットカウンター の列に並びました。オーメンの座席残数の表示は【△】になっていました。表示の種類は【◎、○、△、(実数20~1)、×】とあり並んでいるのは10人程度だったので余裕で並んでいました。あと3人というところで『完売です』という声が耳に入り、お客さんが帰らされました。『えっ!?まさかオーメン?』でも表示は【△】のままです。順番が進み私の番になって表示が【△】から急に【×】に変わりました。私…『オーメン完売ですか?』、店員…『はい』、私…『え~今まで△でしたやん』、店員…『申し訳ありません、すべて完売致しました』と、追い返されてしまいました。

 『オーメン』を上映しているスクリーンは小さいところでした。この映画館で一番大きなスクリーン(座席数が一番多い)で上映している映画は前日に見た『ポセイドン』です。その時はガラガラで20人くらいしかいませんでした。何故今日くらい一番大きなスクリーンで対応しなかったのでしょう?今回の『オーメン』はオリジナル版に忠実に作ってあるそうです。オリジナル版を越えることはまずありえないので今回の作品が傑作でないことは確かです。見終わってもおそらく満足感はないでしょう。だから06年6月6日に見てこそ値打ちがあったのに…作品の出来からしても多くはお客さんは来ないだろうと関係者は読んで小さなスクリーンで公開したのでしょう。

 多分この映画を見に訪れるお客さんはこの日6月6日が一番多いことでしょう。そんな日に小さなスクリーンで対応して観客を追い返したここの支配人は大失態を犯しました。前売り券を持っているので本日もう一度、足を運びますが観客の入りはガラガラでしょう。

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2006年6月 6日 (火)

ポセイドン、ダ・ヴィンチ・コード

Photo_9 ポセイドン

2006年6月5日 TOHOシネマズ二条

 『バビル2世』の映画化ではありません。名作『ポセイドン・アドベンチャー』の33年ぶりのリメイク作です。オリジナル版は1973年に公開され世界中をスペクタクルと感動の渦に巻き込んだ傑作です。オリジナル版は横波を受けて転覆し上下逆さまになった豪華客船の脱出劇を人間ドラマを絡めていました。船内の上下逆さまのセットは遥か昔の映画なのに見事です。船体は傾いているのに船内は普通だった『LIMIT OF LOVE 海猿』とは大違いです。今回の監督は『パーフェクト・ストーム』『トロイ』のウォルフガング・ペーターゼンです。

 上映時間は結構あっさりの99分です。オリジナル版は人間ドラマをじっくり描いて117分です。今回は人間ドラマをできるだけ削ってあります。同じ映画を作っても傑作であるオリジナル版にはかなわないのでどうせ作るなら違ったアプローチにしようという製作者側の意図が見えます。もともとこの監督は『Uボート』等のように人間ドラマを描くのは得意な人です。でも『パーフェクト・ストーム』では主人公の漁師達の人間ドラマよりも中盤にあったレスキュー隊の活躍で嵐の中の救出劇の方が見せ場に感じました。今回は全編見せ場の連続です。

 開始早々人物紹介が終わらないうちにポセイドン号は転覆します。一番の見せ場と言っていいこのシーンはすごい迫力です。『タイタニック』よりも技術が遥かに進んでいます。せっかくの見せ場なので色んな角度からじっくり見たいのにあっさりと5分くらいでで終わってしまいます。どうやらこの映画は時間軸がリアルタイムのようです。実際こんな事故に合ったら自分の身の上話や恋愛などしている暇などありません。水がドンドン上がってくるので主人公達もそれに追われて上へ上へと逃げます。そして【他人のことなど構っている暇は無く自分だけでも必死で助かろうとします】

 次から次とトラブルに遭遇します。そしてあとさき熟考せずにその時に最良と思える閃きと行動力で突き進んでいきます。各トラブルはどれもすごい迫力です。主演のカート・ラッセルは『これは体感する映画です』と言っていたようにテーマパークのアトラクションのようです。見終わった後、【感動】も【カタルシス】もありません。ただ【興奮】だけが残ります。映画とはビデオやテレビじゃなく劇場で大きなスクリーンで見てもらうことを前提に作ってあります。この映画はテレビで見ては面白さは半分も出ません。アクション映画が好きな人はぜひ、大きなスクリーンで素晴らしい音響でぜひ体感してください。

Photo_10 ダ・ヴィンチ・コード(劇場鑑賞2回目)

2006年6月5日 TOHOシネマズ二条

 『ポセイドン』を見終わってまだ興奮状態の私は売店で次に見たい映画の前売り券を買っていました。そこへ前回『ダ・ヴィンチ・コード』を一緒に見た友人がそのパンフレットを買いに来てバッタリ遭遇。僕と一緒に見た後、小説を読破しもう一度映画を見に来たそうです。時間は午後9時…私も同行することにしました。前回は映画の中での情報が少なくて小説を未読の人は辛いと思いました。でもそれは間違いでした。今回で前回の疑問がほとんど解決しました。この映画は映画単体としても十分に完成されていました。

 前回わかりにくかったのは字幕の中の情報量が多かったせいです。通常字幕を読みながらも一字一句、頭に残っているのではなく雰囲気で捉えています。前回は字幕を読んでストーリーを追いかけるので精一杯でしたが今回余裕を持って字幕を読んでいると重要なキーワードや伏線、答えがちゃんと書いてありました。説明的なセリフが多く字幕が消えるのが早いから重要な【単語】が頭に残りにくかったようです。やはり字幕版では1回では理解するのは難しいです。日本語吹き替え版を見るか字幕版を繰り返し見ないとこの映画の良さは分かりにくいです。 

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2006年5月23日 (火)

ダ・ヴィンチ・コード

Photo_4 2006年5月22日 TOHOシネマズ二条

 ダン・ブラウンの世界的ベストセラー小説をロン・ハワード監督が映画化したミステリー・アドベンチャー映画です。主人公をトム・ハンクスそして【アメリ】のオドレイ・トトゥ、ふたりを追う刑事にジャン・レノという豪華なキャスティングです。映画は単行本で上下2巻(文庫だと3巻)に分かれる原作を2時間半に圧縮しています。長い原作をうまくまとめたという見方もありますが逆にストーリーをなぞるだけで駆け足で進んでいきます。

 私は原作は未読ですが配役は適材適所にハマり良かったです。ただしオドレイ・トトゥは【アメリ】のキュートさが良かっただけに今回の役柄は全く正反対のキャラクターなのであまり魅力的に感じられなかったです。今回の舞台がフランスなのでいま旬なフランス人女優ということで抜擢されたのでしょう。トム・ハンクスはポスターを見たときは変な髪形だったので抵抗がありましたが、いざ始まるといつもの彼だったので外見は気にならなくなりました。

 この映画は原作を読んでいるかもしくはキリスト教についての知識がないと付いていくのがキツイです。とにかくドンドン進むのでこちらが見ながら考えたり、整理する間もありません。原作の魅力の一つであるダ・ヴィンチの絵に隠された謎や暗号を解く部分もこちらに考える間も与えず主人公がサクサクっと解いてサ~ッと解説して次へ進みます。先があるのでドンドン進んでいきます。だから各場面の見所や盛り上がりがほとんどなく淡々と進んでいくように感じます。アクション映画として謎解きの面白さやサスペンスの興奮や爽快感が全然出ていません。

 原作の冒頭には『この小説における芸術作品、建築物、文書、秘密儀式に関する記述は、すべて事実に基づいている』」と書いてありますがどこにも【この小説の中の仮説は事実である】と書いてありません。原作者が実在の資料を使って書いたフィクションです。映画の中では素人の私でも強引に思える仮説が出てきます。『ちょっと待てよ?そうなるかな?』と疑問を持たせないように誤魔化す為にワザとサクサク進めているのもあるかもしれません。キリスト教団体がクレームを付けていましたが逆に話題作りになってしまいました。この映画のエンドクレジットには『この映画はフィクションであり登場人物、宗教、団体等は実在のものとは一切関係ありません』と明記してありました。

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2006年5月20日 (土)

5月14日 ピンクパンサー

Photo_3 2006年5月14日 TOHOシネマズ二条
 今は亡きピーター・セラーズがクルーゾー警部に扮した往年の人気シリーズをスティーヴ・マーティン主演でリメイクしたドタバタ・コメディです。ピーター・セラーズが亡き後、実写版は今までに2作品作られました。クルーゾー警部の代わりにドジ刑事が事件を追う【クルーゾーは二度死ぬ】(整形後のクルーゾーとして最後に007のロジャー・ムーアが出演)や【ピンクパンサーの息子】(クルーゾーの息子としてライフ・イズ・ビューティフルのロベルト・ベニーニが出演)がありましたが監督が同じなのにもかかわらず全然面白くなかったです。

 今回は監督も出演者も一新です。主演のスティーヴ・マーティンは脚本も担当しています。これはもう完全な彼の映画です。今までの彼の映画が楽しめる方なら今回も十分に楽しめます。今までのシリーズでも出ていたクルーゾーを憎むドレイフェス主任警部を今回は芸達者なケビン・クラインが演じ、前回までの間抜けな中国人召使ケイトの役割をジャン・レノが付き添い刑事として演じています。

 各シーン5分くらいで、5分くらいのショートコントの連続で繋いで1本の映画にした感じです。全編笑いっぱなしです。93分という上映時間もコントばかりでダレる前に終わりちょうど良かったです。どうしてもクルーゾーを今までと比べてしまいます、今回は建物や物の破壊力は若干落ちますがドジっぷりは良い勝負です。頭の回転のキレは今回の方が上でした。今回は各キャラクターがハマっており私は非常に楽しめました。が、ギャグのネタ切れの恐れがあるのでシリーズ化は希望しません。

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5月7日 LIMIT OF LOVE 海猿

Poster2_3 2006年5月7日 TOHOシネマズ二条

 私は前作の劇場版は見ていますがドラマ版は未見です。ストーリーは独立したものなのでドラマ版を見ていなくても十分に付いていけました。前作の『海猿』は海上保安庁の潜水士訓練学校を舞台にした【青春映画】でした。今回は大型フェリー事故を題材にした【パニック映画】だと思います。

 前作は少々突っ込みどころがあっても【青春映画】なので流せる部分がありましたが今回は我慢できませんでした。世間では『突っ込みどころ満載ですが感動した、興奮した、最高』という意見ばかりです。否定的な意見が不思議なくらいまったくありません。私はそんなにヒネクレ者とは思いませんがこの【突っ込みどころ】のためにすっかり醒めてしまいました。最後にほんの一部を書きます。これらはネタバレになるので映画を見るのを楽しみにしているかたはスルーしてください。

 この映画は【絵になるシーン】をやたら撮ろうとします。それまでの設定やプロセスを無視して撮ります。製作者側はとにかく【感動する絵】が撮れたら少々辻褄が合ってなくても観客は喜ぶだろうと思っているようです。このパターンは【韓国映画の超大作】とまったく同じパターンで観客をなめているとしか思えません。

 先日の『タイフーン』もそうですが大金をかけた韓国映画はとにかく突っ込みどころ満載で白けます。娯楽映画ですがコメディー映画じゃないので多少リアリティーが無いとすべてが嘘っぽくなってしまいます。確かに【映画演出上の嘘】は必要です。ほんとは『スターウォーズ』の宇宙空間での爆発もありえません。でも爆発シーンがなければ迫力もありません。確かにどちらを取るかです。歴史のある日本映画はいつからハリウッド映画じゃなく韓国映画を目標にするようになったのでしょうか?見ていて悲しかったです。

 突っ込みどころの一部・・・【まず舞台となるのは鹿児島湾沖で座礁した大型フェリーです。下層部からの浸水で船体がドンドン横に傾き転覆まで時間がほとんどありません。】…ピンチの場面やパニックの場面になると臨場感を出すために手持ちカメラに変わり思いっきり振り回し何が映っているのかさっぱり分からず吐き気がします。またやたら主人公を中心にカメラがグルグル回ります。酔うだけです。  対策本部では乗客は沈没までに全員降りられるか心配していましたがアッというまに主人公達4人だけになります、この物語は人命救助がメインじゃないようです  だいたい船体が大きく傾いているのに何故船内は平行なのでしょう?クライマックスで怪我人を背負った主人公と妊婦がフェリーの煙突内のハシゴを登ります。腕の筋肉をアップにして登りますが傾いたフェリーのハシゴって登れるの?  フェリー爆発まであとわずか!一刻も早く脱出しなければいけないところで誰かの忘れ物の携帯を主人公が発見!速攻彼女に電話!要救助者を脇で待たせて長電話!電話を切ってさあ脱出しようとしたら間一髪間に合わず爆発!ラブラブ電話より先に脱出でしょ!『はよ電話切れよ!』と叫びそうでした。  途中で仲間が生き埋めに!溺れないようにボンベを置いていきます。まだ浸水してないのにもうボンベを吸っている姿をカメラはとらえながらフェードアウト!このボンベの酸素は無限大です  一般人であるはずの主人公の彼女はなぜか対策本部のど真ん中を陣取って作戦に時々口を挟みます!いつからそんなにエライ人になったの?  彼女が主人公に逆プロポーズ主人公は『考えさせてくれ!』と一言!どんなつもりで付き合っていたのでしょう?  連日危険な任務の主人公の仕事ぶりを今回間近で心配しながら見た彼女こそ『考えさせてくれ!』じゃないの?  座礁したフェリーが最後沈没します。煙を吐きながらブクブク沈んでいきます。船体を縦にして!船尾から船首に向けてゆっくりと!エライ深いところで【座礁】していたんですね~。  今回は潜水のシーンはほとんどありません。海猿って潜水士の話ですよね?

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5月1日 トム・ヤン・クン

Photo_2 2006年5月1日 TOHOシネマズ二条
 『マッハ!』と同じくトニー・ジャー主演、プラッチャヤー・ピンゲーオ監督作品です。前作はストーリーは二の次で主演のトニー・ジャーの身体能力の高さと【ワイヤー、早回し編集無し】というのが見どころでした。その代わりリプレー&スローの連続でテンポが悪かった印象でした。

 ストーリーですが『マッハ!』は【タイの山奥にある村の仏像が盗まれた為、それを追って都会に出てきた主人公がマフィアと戦う】といったものでした。今回は【タイの山奥にある村で家族同様に暮らしていた象親子がさらわれて、それを追ってオーストラリアへ渡った主人公がマフィアと戦う】というものです。

 今回は舞台がオーストラリアになり敵役が白人と中国人になりアクションのスケールがアップしました。地元スタントマン使用&スケールアップした演出上、前回否定していたワイヤーアクションを使っています。あとはほとんど『マッハ!』と同じです。とにかく主人公のトニー・ジャーの身体能力の披露会のみです。『マッハ!』が楽しめた人なら今回も楽しめるでしょう。

 映画後半、主人公が敵アジトのビルに乗り込み数百人はいようかという敵を倒しながら最上階に向かって進んでいくシーンがあります。時間的にはかなり長いシーンを一切の編集もなくカメラが追いかけるところが見せ場の一つです。ワンカットの長回しだから、そこに登場する何百名のエキストラまで含めこの場面では一人が間違えればそこでこの撮影は失敗、すべてのセットを元に戻し役者は自らの立ち位置に戻りカメラも戻さなければなりません。

 努力は認めますが肝心のアクションのキレがこのシーンでガタッと落ちます。長いシーンの振り付けを頭に覚えるので精一杯で主人公は手足を出すだけです。力の無いパンチやキックを受けた敵は大げさに吹っ飛んでいきます。他のシーンでのアクションのキレが良いだけにこのシーンになって急にキレが悪くなったのが気になりました。せっかく見どころとして手間ひま掛けた割には一番萎えたシーンでした。

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4月25日 Vフォー・ベンデッタ

V 2006年4月24日 TOHOシネマズ二条
 この手の映画は私好みの作品です。アクション映画という形をとりながら強いテーマ性を持った社会風刺を描いています。原作は1980年代にイギリスで発表されたコミックスですが劇中の独裁国家のモデルはサッチャー政権下の超保守化したイギリスのようです。その独裁者は口ひげをはやし【サトラー】と言います。

 主人公の【V】の仮面のモデルになっているのは1605年11月5日に英国国会議事堂の爆破未遂事件を起こし翌年処刑されたガイ・フォークスという人物です。今でもイギリスでは11月5日を【ガイ・フォークス・デー】として記念しその夜は多数の花火が打ち上げられるそうです。最後まで素顔を見せない【V】を演じているのは『マトリックス』シリーズのエージェント・スミス役を演じたヒューゴ・ウィービングです。彼の演技は素晴らしかったです。

 物語は近未来の11月5日から翌年の11月5日までの1年間を描いています。オープニングは派手なシーンから始まりますがそれ以降は人間ドラマを中心にじっくり描いてあります。クライマックスまでビジュアル的には地味ですがストーリーは波乱万丈でテンポ良く進むので132分間、全然退屈しません。そしてクライマックスの演出には感動しました。これは物語は好き嫌いが分かれますが興味がある人はぜひ大画面のスクリーンで見ることをお薦めします。

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4月24日 アンダーワールド:エボリューション

Photo_1 2006年4月23日 TOHOシネマズ二条
 2003年公開の『アンダーワールド』の続編です。何世紀にも渡ってヴァンパイア軍団とライカン(狼男)軍団の戦争が続いており主人公は女性ヴァンパイアです。彼女の仕事はライカンの処刑人です。前作の不満は2挺拳銃や服装など格好はキマッテいるのに射撃が下手なこと。何百年も処刑人をしているのに銃を撃ちまくっても全然相手に当たりません。よくそれで何千匹とライカンを処刑できたなあと不満に思いました。

 さて今作ですが物語は前作の終了直後から始まります。しかし前作を3年前に観たきりなのでどんなストーリーだったかあまり覚えていません。そんな人の為に劇中にフラッシュバックで断片的にポイントとなるシーンを再現してくれます。それでなんとなく今回の物語についていけました。

 前作はヴァンパイアとライカンとの政治的な駆け引きばかりでテンポが悪かったですがそれに比べると今回はテンポが良かったです。それに主人公があれだけ撃ちまくっても当たらなかった射撃の腕前が上がっています。2挺拳銃でバンバン撃ちまくってバシバシ当たります。見ていてすごく爽快でした。彼女の中に何が起こったのでしょうか?

 前作はライカンは狼男に変わるからわかりますがヴァンパイアの方は吸血鬼らしい演出が少なくてあまりヴァンパイアらしくありませんでした。身体能力が高い人間という感じでした。今回はそこらへんの演出もありヴァンパイアとライカンの戦争がよく分かりました。クライマックスのアクションシーンもとてもよくできていて迫力満点でした。退屈だった前作より遥かに面白かったです。

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